ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン Vol.1
オーネット・コールマンが死去した。日本ではニュースにもならないが、彼はマイルス・デイビスやジョン・コルトレーンと並ぶ、ジャズの巨匠である。アトランティック時代のアルバムは、"Beauty Is a Rare Thing"にまとめられている。ピアノレスのトリオで彼の音楽が純粋に結晶したのが、"At the Golden Circle"である。

1950年代から彼はつねに自由で過激な演奏を続けてきたが、それは抽象的な「前衛音楽」ではなく、西洋音楽の枠を超えるアフリカの原初の音楽だった。15年ほど前、渋谷公会堂で聞いたときも、70過ぎて2時間ほとんど出づっぱりで自由に吹きまくるエネルギーに感銘を受けた。

70年代からは「プライムタイム」というロックバンドのようなフォーマットで演奏するようになったが、それはコマーシャルな「フュージョン」とは違う挑戦的な音楽だった。私にとっての最高傑作"Of Human Feelings"は廃盤だが、このバンドの初期の傑作、"Body Meta"は、まだ生き残っている。