アゴラに書いたように、現在の経済システムの起源は戦時体制にあるが、おもしろいのは戦後の占領でもそれが大きく変わらなかったことだ。この原因は、GHQが日本の官僚機構を温存して占領統治をやったことにある。官僚は「顕教」としての天皇制ファシズムを放棄するようにみせて、「密教」であるタコツボ構造を守ったのだ。

これは経済学でいうと、共通利益ゲームで最適解を求める問題と考えることができる。そのコアになるのは、進化ゲーム理論で証明された、事前にコミュニケーションのある共通利益ゲームには唯一の均衡が存在し、それは効率的であるという定理だ。これはナッシュの定理(均衡は存在するが唯一とは限らない)を超える重要な発見で、実際の社会でも(意図せずに)そういう解をみつけるシステムができた。

もっとも単純なのは、タコツボの中で頻繁に合言葉をかわして評判を共有するシステムだが、集団が大きくなると、タコツボを武力で補完して秩序を維持する封建制(feudalism)ができた。日本とヨーロッパは、ここまでは驚くほど似ているが、分岐するのは近世以降だ。

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