アゴラこども版の大人むけの補足。「脱成長」でのんびりした幸福な社会になるというのは錯覚だが、これは単なる老人のエゴイズムではない。日本の社会がすべて成長しないと維持できない構造のままになっていることが本質的な問題だ。

一時は日本企業が「日本的経営」で奇蹟の高度成長を遂げたといわれたが、これは神話である。中国の成長率がその記録を破ったことでもわかるように、分母が小さければ成長率は大きくなるのだ。敗戦でGDPがほぼ半減した日本が10年で元に戻っただけで、GDPは2倍になり、成長率は10%を超えた。これが70年代に屈折し、一人当りGDPでみると図(対数目盛)のようにアメリカの8割程度で、イギリスとほぼ同じ「普通の先進国」になっただけだ。

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1人当りGDPの推移(出所:David Romer)

もう一つの要因は人口増だ。1945年から25年間に日本のGDPは10倍になったが、その間に生産年齢人口は1.8倍になった。この人口ボーナスが成長の最大の原因だが、これだけでは説明できない。もちろん戦争で破壊された資本が回復した効果やアメリカの技術をまねた技術進歩の影響も大きいが、もう一つの要因は人口の都市集中である。

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