廃藩置県近代国家誕生の舞台裏 (角川ソフィア文庫)
JBpressにも書いたが、大阪都構想はよくも悪くもそれほどの大改革ではない。市の財政が悪化しているのに24区のままではもたないから、5区に整理しようというだけのことだ。この程度の改革を拒否していると、財政赤字が拡大して都市が倒産する。

しかし当分は今までの資産を食いつぶせるので、団塊の世代が死ぬまでは何とかなるかもしれない。その後に残った借金は将来世代が負う。この意味で今回の住民投票は、大阪市の「計画倒産」である。

これは明治維新と似ている。廃藩置県のような大改革が驚くほどスムーズにできたのは、すでに各藩の財政が破綻していたからだ。1700年ごろから年貢は増えず、下級武士の所得は水呑百姓とほとんど変わらない状況になっていたが、幕藩体制を廃止するまでに170年もかかった。いわば2世紀かけてフランス革命をやったようなものだ。

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