今週の番組には、関係者から多くのコメントをいただいたので、まとめてお答えしておきたい。最大の争点は、核燃料サイクルの採算性をどう見るかだ。今のプルサーマルはつなぎの技術で、これだけでは採算が取れない。これは関係者も一致して認めるところだが、問題は次世代の技術をどうみるかだ。
高速増殖炉(FBR)はほぼ絶望だが、IFRなどの次世代技術には可能性がある。しかしこれも実用化が2050年といわれたFBRよりさらに後の話なので、少なくとも今の核燃料サイクル設備の寿命を超える時間だろう。

ただ「資源として大きな可能性のあるプルトニウムをゴミとして捨てるのはもったいない」という気持ちはわかるので、とりあえず再処理を保留して処分方法を検討してはどうだろうか。今は各原発の核燃料プールに保管しており、最短であと6年ぐらいで一杯になるが、これは「トイレなきマンション」ではない。同じサイト内で乾式保管することは技術的には容易で、場所も十分ある。

今までは経産省が面子にこだわって判断を先送りしてきたが、彼らも徐々に軌道修正をはかっている。放射性廃棄物ワーキンググループでも、「幅広い選択肢を確保する観点から、使用済燃料の直接処分その他の処分方法に関する調査研究を推進するものとする」という方針が決まり、3月に閣議決定される予定だ。

これから原発を徐々に減らしていくとすれば、2円/kWhという核燃料サイクルの単価も楽観的であり、MOX燃料でプルトニウムを消費するめども立たない。原子力委員会も勧告してきたように、今後は直接処分のオプションを広げるべきだ。

これは再処理工場を破棄しろということではない。大きなイノベーションでプルトニウムを使った新しい技術が実用化される可能性もあるので、その余地は残しつつ、その見通しが立つまでは再処理工場を凍結してはどうか(設備が汚染されると処分コストが激増する)。

直接処分が進んで再処理が減ると、再処理工場を経営している日本原燃の経営が悪化するが、重要なのはその株主である各電力会社のキャッシュフローである。役所の面子なんか気にしないで、資本主義の原則でドライに考えてはどうだろうか。