さっき配信したメルマガで紹介した岩波の『科学』の公式アカウントのツイートは、いろいろなことを考えさせる。
これに対してTogetterで多くの批判が寄せられている。




こういう批判が集中する背景には、科学的客観性を捨てて(岩波に都合のいい)ルポライターやら評論家の「社会的合意」ばかり載せる『科学』への不信感がある。もともと『科学』は、アメリカの Science誌などとは違って査読制ではなく、1人の編集者が個人的に編集している同人誌みたいなもので、元編集長(林衛氏)も反原発派として有名だ。

健康の基準は「社会的合意」ではなく、科学的事実である。いくらルイセンコが正しいというスターリンの合意があっても、個体変異は遺伝しないのだ。もちろん実際のデータには不確実性があるが、最終的に事実を決めるのは専門家の検証である。いま必要なのは、「原発事故で鼻血が出る」といった感情論を排し、科学的基準だけで健康を決めることだ。

戦前の岩波書店は――戦争をあおった朝日新聞とは違って――天孫降臨などの非科学的な神話を否定する津田左右吉の本を出版し、彼を天皇制国家の「社会的合意」から守った。その岩波が、反原発派の感情論を根拠に国連の報告書を否定しようとするのは、彼らの名誉ある歴史をみずから汚す自殺行為である。