韓国人の歴史観 (文春新書)
今週のメルマガにも書いたが、私はNHK大阪に勤務していたころ、在日の問題をよく取材した。特に「帰化」はセンシティブな話題で、同僚が有名な歌手の帰化についてドキュメンタリーをつくり、完成してから本人が拒否して没になる事件もあった。

当時は在日に被害者意識が強く、朝日新聞などはいまだにそれに迎合しているが、本書もいうようにこれはおかしい。世界に植民地はたくさんあり、一時は地球上の陸地の8割が植民地だった。第2次大戦後はそれがなくなったが、植民地時代のことをいつまでも根にもっている国はほとんどない。日本の植民地でも、台湾には反日感情はない。それが普通なのだ。
在日韓国人の意識が屈折しているのは、彼らが「抗日戦争」の戦勝国だというフィクションを維持しようとしているためではないか、というのが著者の見立てだ。本当の戦勝国なら、アメリカのように屈折するはずもない。本当の植民地なら解放されたら終わりで、謝罪や賠償をしたケースはない。

もう一つの原因は、朝日新聞を初めとする贖罪意識が日本人に強いことにある。かつては私もその一人で、1991年に韓国まで強制連行をさがしに行って、初めてそれが嘘だということに気づいた。今でも、ほとんどのジャーナリストは気づいていないだろう。朝日が「慰安婦問題の本質」が何ちゃらと説教するのも、半分は開き直りだが、半分は無知だと思う。

この点で「朝まで生テレビ」で下村満子さんと私の意見が一致したのは驚いた。彼女は「韓国人の被害者意識は政治的なもので、挺対協は老婆を食い物にして日本にたかっているだけだ。それに呼応して国家賠償を求める朝日の記者も私の敵だ」といっていた。

アジアとの問題でも、中国に対しては侵略したという明白な加害責任があるが、韓国に対しては併合したという以外の事実はほとんどない。日本に来た朝鮮人のほとんども企業の募集に応じて高賃金につられてきたので、政府が謝罪する筋合いはない。日韓条約で「経済協力金」を払ったのは、戦争に負けたからなのだ。

韓国の問題は特殊で、彼らの国内政治に利用されている。これを「アジアに対する加害責任」などと一般化するのは間違いのもとだ。日本人はもう朝日新聞に代表される敗戦国史観の錯覚を卒業したほうがいい。