海外メディアが朝日新聞の誤報に沈黙する中で、FTがこれを取り上げた。朝日を批判する側の代表は、なんと私だ。
"This isn’t a comfort women problem, it’s an Asahi problem,” wrote Nobuo Ikeda, a prominent conservative blogger. He said the women, who were mostly procured by civilian middlemen, were simply “prostitutes” – a commonplace characterisation among conservatives that is disputed by human rights activists and historians – adding that the newspaper’s reporting was the “greatest media crime of the postwar era”.
これに対して擁護するのは小熊英二氏だ。
“Some Japanese conservatives only focus on the question of whether soldiers or officials directly gathered up women by force, and argue that if they didn’t, Japan bears no responsibility,” he said. “But that’s an ugly excuse, like saying the government isn’t responsible for a nuclear accident because the electric company caused it, or a scandal-hit politician saying: ‘I don’t know anything, my secretary did it’.”
FTの記者は私のブログを読んでいるようだからわかっていると思うが、小熊氏の話は事実誤認である。日本政府は「責任がない」とは言っていない。1992年に加藤談話で「軍の関与」を認めて謝罪した。韓国政府が「強制連行」を認めろというから決着しないのだ。こんな基本的な事実も知らないで、海外メディアにコメントする度胸は見上げたものだ。

朝日新聞は、16日の社説でも「朝日新聞は今月、慰安婦問題について特集を組んだ。過去の報道の誤りをただすとともに、慰安婦問題の本質は普遍的な人権の問題であることを示した」と称して、日本政府に国家賠償を求めている。

慰安婦が「普遍的な人権の問題」だというなら、同じ時期に日本の炭鉱などで過酷な労働条件で働かされた32万人の男性労働者はどうなるのか。数十人の娼婦だけに個人賠償するわけに行かないから、外務省はゆずらないのだ。それぐらい朝日新聞も知っているだろう。

人権問題というなら、戦争による殺人こそ究極の人権侵害だ。300万人以上が殺された太平洋戦線で、今ごろ娼婦の問題だけを取り上げる理由は何もない。小熊氏は単なる無知だが、事情を知っていながら問題をすり替える朝日新聞は、終戦直後にもこうして逃げ切ったのだろう。今度はそうは行かない。