NHKの籾井勝人新会長の就任会見が朝日新聞に槍玉に上げられているが、問題はかなり深刻だ。NHK広報局まで失言をプレスリリースにしているので、何を間違えたかわからないのだろう。
(いわゆる従軍慰安婦の問題)
会長職としてのコメントは控えたいが、どこの国にもあったということではないかと思う。それは、戦争をしている戦争地域ということだ。慰安婦そのものが、いいか悪いかと言われれば、悪い。日本だけが強制連行したみたいなことを言われているから、話がややこしい。
朝日新聞バージョンでは「韓国だけにあったと思っているのか。戦争地域にはどこでもあったと思っている」となっているが、当時の朝鮮半島は「戦争地域」ではなく、日本の領土だった。朝鮮に慰安婦がいたのではなく「韓国女性が日本軍によって慰安婦として南方戦線へ強制連行された」というのが韓国政府の主張である。籾井氏もNHK広報も、日本がどこの国と戦争したのか知らないのは恐れ入る。

「日本だけが強制連行したみたいなことを言われている」というのは、日本が強制連行したことを認める上に、他の国が強制連行したと示唆している点で二重の誤りだ。日本の軍も官憲も、強制連行はしていない。他の国(ドイツ)で強制連行があったともいわれるが、それをNHKが立証できない限り会長がいうべきではない。

よくあることだが、籾井氏は慰安婦の存在と(公権力による)強制連行の区別がついていない。NHK広報はこのプレスリリースを撤回して「いわゆる従軍慰安婦の問題」の部分を削除し、会長は公式に謝罪すべきだ。そうしないと、間もなく始まるNHK予算審議は乗り切れないだろう。事実関係はこの記事にまとめたので、日本の歴史を勉強してほしい。

追記:朝日新聞の「詳報」によると、籾井氏が「こっちから質問ですけど」と慰安婦の話を持ち出し、「従軍慰安婦が韓国だけにあって、他になかったという証拠がありますか?」と意味不明の質問をしている。従軍慰安婦という軍属は存在しないし、慰安所は韓国にはなかった。ヨーロッパにも「従軍慰安婦」があったかのような発言も、問題になりかねない。