CEA議長だったGoolsbeeが、バーナンキ議長時代のFRBの8年間を振り返って「バーナンキの勝利だった。ハイパーインフレを予想した人々は間違っていた」と高く評価している。


アメリカのマネタリーベース(赤)とコアCPI(青・右軸)の前年比変化率
図のように、FRBは最大で年率25%もマネタリーベースを増やしたが、コアCPI上昇率は2.5%にもならなかった。過去20年の平均インフレ率が約2%のアメリカでこうなのだから、それが0%の日本で日銀が何をやっても、2%のコアCPIが実現するはずがない。インフレ率に「世界標準」なんかないのだ。

日本でもインフレは起こっていないので、今の円安は日銀のおかげではなく、アメリカ経済の回復でリスクオンになったことによる均衡為替レート(1ドル=110円前後)への復帰だ。そのメリットは輸出産業の決算で見えるが、ダメージは電力会社の経営悪化なので見えない。しかし日本の潜在成長率は確実に下がっている。