きのうの橋下徹氏とのやりとりについて、ちょっと補足。彼がツイッター
池田さんは慰安婦問題について大きく主張を変えられたようですね。[…]先日のテレビ大阪たかじんNOマネーでは、強制連行の有無だけが問題で、慰安婦の利用は許されないことだと主張されていました。
と書いたのは誤解である。私は「慰安婦の利用が許されない」と言ったのではなく、それが「必要だった」という発言は、日本軍の行為を肯定するような誤解をまねく、と言ったのだ。日本政府は、慰安所の運営については一定の責任を認めている。

軍が慰安婦に関与したかどうかについては、政府は「民間の商行為で政府は関与していない」という立場だったが、朝日新聞の報道を受けて1992年の加藤官房長官談話
慰安所の設置、慰安婦の募集に当たる者の取締り、慰安施設の築造・増強、慰安所の経営・監督、慰安所・慰安婦の街生管理、慰安所関係者への身分証明書等の発給等につき、政府の関与があった。[・・・]いわゆる従軍慰安婦として筆舌に尽くし難い辛苦をなめられた全ての方々に対し、改めて衷心よりお詫びと反省の気持ちを申し上げたい。
という見解を発表し、「女性の人権」については道義的責任を認めた。この点では「政府が関与した」という朝日の報道は正しかったのだが、その記事に書かれていた「強制連行」が問題になった。これについては日韓で調査が行なわれ、民間の人身売買の証拠はあるが、軍による強制連行の物的証拠は何も出ていない。

問題は韓国政府がそれに満足せず、元慰安婦の証言だけを根拠に「強制性を認めろ」と執拗に日本政府に求めてきたことだ。これに屈して曖昧な表現で強制性を認めた河野談話が大問題になり、関与を認めた加藤談話が存在も知られていないということは、橋下氏のいう「女性の人権」が争点ではないことを示している。これについて木村幹氏
「キーセン観光」のもと抑圧される女性たちの姿は、植民地期の慰安婦たちの再来、だと理解されたわけである。[…]韓国における慰安婦問題の認識の特徴は、それが「過去」にかかわる「歴史認識問題」である以上に、「現在」にかかわる「女性問題」としての性格をゆうしていることにある。
と解説しているのは事実無根だ。キーセン観光なんて何の関係もない。彼のあげているデータを見ても、「慰安婦」という言葉は1990年以前には『朝鮮日報』の記事にさえ1件しか出てこない。それが問題になったのは、朝日新聞が「強制連行」を報じた1992年以降である。つまり慰安婦問題とは女性の人権ではなく強制連行の有無であり、この意味で私は「慰安婦問題は存在しない」といっているのだ。

この問題がいつまでも尾を引くのは、韓国政府が「強制連行」を教科書にまで書かせているため、国内向けに引っ込みがつかなくなって嘘をつき続けていることが原因だ。したがって彼らが嘘をつくのをやめれば終わるが、アメリカ政府も、ケビン・メア氏によれば「強制連行の事実がないことは承知しているが、女性の人権を守る立場は変えない」とのことなので、情勢は圧倒的に不利だ。

安倍政権は河野談話にはふれず、新たに「安倍談話」を出す方針だという。朴大統領がそれでこの問題を終わらせるのが最善だが、橋下氏が納得できない気持ちもわかるので、この真相を知っている福島瑞穂氏を国会に証人喚問するか、彼が個人的に面会して事実関係を確認してはどうだろうか。