反原発運動は信仰なので、事実によってくつがえすことはむずかしいが、まれに放射脳の人がマインド・コントロールから覚めることがある。その一人が、minako_genkiさんだ。彼女のタイムラインを見ると、すさまじいバトルが展開されてTogetterのまとめまである。何が決定的だったのかきくと、「バズビー基金がHPで高額な検査をPRし始めたので、疑問に思いました。結局お金が目当てかと」。

つまり最初は正義か悪かというフレームで見ていた問題が、バズビーをきっかけに金もうけというフレームで見えるようになったわけだ。そしておかしいと思い始めると、他も怪しくみえてくる。その科学的根拠を調べると、みんなでたらめだとわかって、彼女は放射脳から帰還したらしい。

ところが自由報道協会でバズビーの記者会見をやって彼を売り込んだ岩上安身氏は、いまだにバズビーやECRRをかつぎ回って放射能デマを流し続けている。武田邦彦氏は、バズビーの話を根拠にして「福島事故で40万人が死ぬ」と予告している。

この2種類の人々は違う。一般の放射脳の人々は善意でバズビーを信じているのだが、彼を利用する人は嘘と承知で彼を利用しているのだ。おとといのニコニコ生放送では、モーリー・ロバートソン氏がバズビーの問題を追及すると、上杉隆氏は「場所を貸しただけだ」などと逃げ回った。

私が「福島原発事故で死者は1人も出ていない」というと、上杉氏は大声で何かわめき続けて私の話をさえぎろうとした。信者に聞かせたくなかったのだろう。彼は自分が嘘をついていることを知っているのだ。それに気づいたとき、信者のマインド・コントロールは解ける。カーネマンのモデルでいうとシステム1が作動して、放射脳の外の世界が見えるのだ。