きのうから周波数オークション導入というニュースが流れているが、これはミスリーディングである。周波数オークションを導入するという方針は昨年の閣議決定で決まっており、今回の総務省の発表はそれを確認したに過ぎない。

重要なのは、いつになるかわからない「第4世代携帯電話」の3.4~3.6GHz帯でやるということだ。これは、いま問題になっているUHF帯ではオークションをしないということである。900MHz帯はソフトバンクに割り当てることが内定しており、すでにSBはそれを見込んで基地局の手当てをしている。

昨年、すったもんだの末に国際周波数に合わせることが決まった700MHz帯もオークションから除外されており、せっかく100MHzも帯域があくのに、密室の「美人投票」で割り当てる。UHF帯は最後に残った「プラチナ・バンド」なので、ここを密室で割り当てたら、3GHz以上の使いにくい(コストのかかる)帯域でオークションをやっても意味がない。応札者は既存業者しかいないだろう。

ところが日本では、ソフトバンクへの割り当てに異議を申し立てているイーモバイルも、「公正な審査」を要求するだけでオークションの導入を求めていない。同じく900MHz帯に申請する予定のドコモもオークション反対だ。最初からSBだけに割り当てると「談合だ」といわれるので、総務省が「3社を審査しました」と言い訳するためのアリバイ作りだろう。

スマートフォンの普及で、携帯の電波はパンク状態である。アメリカではVerizonのCEOが、使われていない周波数をFCCが買い戻す「逆オークション」を行なうよう求めている。そういう状況で、これから白昼堂々の八百長を行なう総務省の厚顔無恥は、霞が関の中でも特筆に値する。