松本復興担当相が辞任した。これ自体は当然のことだが、ここまで来る経緯には違和感を感じる。当日(3日)には報道がなかったのに、地元のローカル民放の映像がYouTubeに投稿され、それが3日の深夜から100万回以上も再生される大騒ぎになってから、翌日やっと報道が始まった。

それも毎日新聞は「松本復興担当相:岩手、宮城知事と会談『復興は知恵合戦』」と暴言にはまったくふれず、NHKも夜になって小さな扱いで報じただけだ。野党の対応も奇妙だった。自民党の石原幹事長は「釈明をするか、釈明するつもりがないなら辞めるしかない」と、陳謝すれば辞任要求はしないような腰の引けた発言をし、公明党も辞任要求をしなかった。

これはおそらく、松本氏が「同和のボス」として知られているからだろう。あの程度の知能の人物が閣僚までやれるのは、彼が部落解放同盟の元副委員長で、全国の同和利権を押えているからだ。彼の実家が土建業で財をなしたのも、利権と無縁ではないだろう。同和票は大したことないが、「糾弾」されると担当者は左遷されるので恐い存在だ。まだまだ同和のタブーは健在らしい。

しかも情けないのは、他の社がやりはじめると、われもわれもと(当日は放送しなかった)同じビデオが何回も出てくることだ。1社だけだと「糾弾」されるが、みんなでやると安全だからである。日本をだめにしているのはこういう「空気」だということを、マスコミは身をもって教えてくれる。

追記:世耕弘成氏は「オフレコ圧力に屈したのか?」と書いているが、公的な場で発言が終わってから「オフレコ」は成り立たない。これは松本氏が無知なだけである。