首都圏と関西で、電力危機が切迫してきた。これを解決する方法は簡単だ。定期検査の終わった原発を再稼働すればいいのである。ところが浜岡原発を首相の超法規的な「要請」で止めた影響で、各地の地元の知事が再稼働にOKしない。知事に原発の運転の許認可権はないのだが、国が法的根拠なしに止めたために、法的な手続きで再稼働ができない。

こうした中で、関西電力の「15%節電要請」を「原発を再稼働するための脅しだ」と蹴飛ばして「エアコンを切るだけでいい」と主張しているのが、大阪府の橋下知事だ。彼はけさもツイッターでこう書く:
ピーク時、家庭用、オフィス用の消費電力は3分の2。産業は3分の1。産業は節電の必要なし。特に家庭用では53%がエアコン。危機状況のとき、エアコンOFFが最大の効果を発揮します。
エアコンをOFFにするだけで電力不足が解決するなら話は簡単だが、彼はどうやってエアコンを止めるのだろうか。スマートグリッドで大阪府がすべてのエアコンを止められるなら話は別だが、府民に「要請」して止めなかったらどうするのか。それとも「エアコン停止条例」でもつくってスイッチを切るよう命じるのか。

一時的にせよ電力消費が供給を上回ると、変電所の電圧や周波数が不安定になり、最悪の場合は安全装置が働いて停電する。家庭のブレーカーが落ちるのと同じだ。そして一つの変電所が停止すると、供給能力がさらに下がって消費が超過し、他の変電所も停止する・・・という連鎖が起きて、ニューヨークやカリフォルニアのような大停電が起こる。関西一円で大停電が起こると、被害は数兆円の単位だろう。大阪府はその損害を賠償するのか。

永田町のように何も決まらないのも困ったものだが、大阪のようにポピュリズムを煽動して「今の日本の政治に必要なのは独裁」と叫ぶのも危うい。彼を「大阪のヒトラー」と呼ぶ向きもあるが、これはほめすぎだ。彼の支離滅裂な言動は「大阪のチャベス」ぐらいだろう。日本の民主主義もベネズエラ程度か・・・