専業主婦の年金についての「運用3号」問題で国会が荒れているが、これは外相の25万円の政治献金とは比較にならない大問題である。

運用3号の対象者は100万人以上、支給総額は年間8000億円にのぼる。このような巨額の財政支出を法的根拠のない「課長通知」で決めたのは驚くべきことで、高橋洋一氏も指摘するように憲法第85条「国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基くことを必要とする」に違反するおそれがある。

ところで、日銀がETFや長期国債を買う「非伝統的金融政策」も国会決議にもとづかない財政支出であり、岩本康志氏の指摘するように憲法違反の疑いがある。桜内文城氏もいうように、非伝統的金融政策の中でも、準備預金を積み増すだけの量的緩和は財政赤字に影響を与えないが、長期債や株式を買うことは日銀がリスクを負担し、その結果として日銀納付金の減少という形で財政赤字に影響を与える。

したがって日銀が財政赤字を「先食い」する場合は、事前に政府が意思決定を行なって日銀の基金に政府保証をつけるなどの形で責任を明らかにするのが筋だろう。しかし岩田規久男氏は「デフレ脱却の手段が金融政策か財政政策かは、国民にとってはどうでもよいことである」と、岩本氏のような議論を否定している。高橋氏は、憲法も知らない経済学者の妄言をたしなめたほうがいいのではないか。