鈴木亘氏が、80万人に及ぶといわれる待機児童の問題を「フォーサイト」で論じている。大竹文雄氏の要約を借りると、その論旨は
保育所の数を増やすことは保育所間の競争を激化させ収益の悪化要因になるので、認可保育所にとっては、参入を少なくして待機児童が多い状態にしておく方が望ましい。そのため、既得権をもった保育所業界は、族議員と厚生労働省を使って、保育所の参入規制の緩和を骨抜きにしてきたという。この問題の解消方法として、鈴木氏は「子ども手当」を保育・教育バウチャーにして、無認可保育所にも切符の受け取りを許可することを提案している。これなら、「子ども手当」が子どものために使われないかもしれない、という心配もなくなる。
これは私の「アゴラ」の記事とほとんど同じだ。いま私の友人が、待機児童を解消するための運動を民主党の議員と一緒に行なっているが、彼もバウチャーが望ましいという。しかしその実現はむずかしい。日教組が(同じく競争の激化を恐れて)バウチャーに反対しているからだ。しかしイギリスでは、労働党政権が保育バウチャーを実現した。組合のあまり強くない保育所だけでも、バウチャーを導入して待機児童を解消してはどうだろうか。