Ilzetzki et al.は1960~2007年のデータを分析した結果、財政支出の乗数効果は固定為替相場の場合には1.5程度と高いが、変動相場制ではほぼゼロだという結論を出している。これはマンデル=フレミング・モデルの予想どおりである。

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Barro-Redlickも、1930年代以降のデータを使って、財政支出の乗数は(クラウディングアウトのため)1より小さいと結論している。他方1%の減税は成長率を年率0.6%引き上げるが、これは総需要の拡大よりも投資のインセンティブを高める効果によるものと推定される。ケインズ的な財政政策は、開放経済ではきいたことがなく、今後もきくことはないだろう。