ACCJ(在日米国商工会議所)が「インターネット・エコノミー白書」を発表した。かつてはUSTR(米通商代表部)の別動隊として活躍したACCJも、最近は「ジャパン・パッシング」ですっかり影が薄くなった。むしろ台頭する中国などの新興国に追い抜かれないように日本がどういうIT政策をとるべきかを提言している。従来からの主張である「日本版FCC」も掲げているが、今回の重点は電波政策だ。その部分を抜粋しておこう。
  • 周波数オークションの導入:日本の商用電波の割当ての手法として、市場ルールに基づくオークションを導入すべきである。その第一歩として、ACCJは日本政府に対し、周波数オークションを試験的に導入し、OECD各国で採用されているこの手法の有効性を確かめることを提案する。
  • 電波取引の導入:ACCJは、電波の柔軟な利用の推進とともに、電波の割当てプロセスを補完するためオークション方式か審査方式かを問わず、電波取引が採用されるべきであると考える。
  • 周波数割当てへのオープン・アクセスの義務化:周波数は有限稀少な資源であり、他の革新的な製品やサービスの開発に重要な要素となり得る。ACCJは、機器・サービスの提供事業者にオープンな周波数アクセスが保証されることによって、市場におけるイノベーションを促進できると考える。例えば米国では、連邦通信委員会(FCC)が、電波は公共資源でありさらにイノベーションと消費者の選択の幅を広げるとの考えに基づいて、最近初めて700MHz周波数オークション落札者に対してオープン・アクセスを与えた。
  • 周波数コモンズの拡大:ACCJは日本政府に対し、未交付周波数帯、すなわち周波数コモンズを拡大する可能性について調査し、免許不用周波数帯の試験的取組みやイノベーションを促進することを奨励する。米国では、最近FCCがアナログ放送からデジタル放送への移行の成果として「ホワイト・スペース」の利用を許可した。この決定で、いわゆる「メッシュ」ネットワーク等の新技術の採用が容易になり、デバイスとサービスの革新のための全く新しい機会が生まれることになった。
全体として、世界の常識にそった提言である。民主党政権が、今後も日本だけオークションを拒否するというのであれば、世界に理解できる説明が必要だろう。またACCJがオークションと同じぐらい、UHF帯のホワイトスペースに注目していることにも注意が必要だ。この国際標準化の進んでいる帯域を、総務省がテレビ局の息のかかった「日の丸規格」で埋めようとしたら、日米協議で追及されることも覚悟したほうがいい。