日経新聞によれば、ウィルコムが私的整理の検討に入ったようだ。ウィルコムの経営危機はこれまでにも噂されており、筆頭株主のカーライル・グループが金融危機で資金難に陥っていることから、破綻は時間の問題とみられていた。

ASCII.jpでも指摘したように、この事件は「電波社会主義」がいかに非効率な結果をもたらすかの見本だ。2007年の2.5GHz帯の割り当てのとき、情報通信政策フォーラムでは「オープンな審査をやれ」と提案したが、ウィルコムは公開討論をドタキャンした。総務省は美人投票の「財務的基礎が充実している」という項目で、ウィルコムにNTTドコモを上回るA評価をつけた。

原口総務相のきらう周波数オークションをやらないと、こういうことになる。官僚はビジネスの結果に責任を負わないので、採算性を考えないで既存業者や政治家の意向を受けて免許を割り当てるからだ。ウィルコムの非常識な美人投票も、「日の丸技術の振興」のためにXGPに割り当てるという結論を先に決め、採点はあとから適当につけたものだ。

責任追及を恐れる総務官僚は、返済期限の延長や公的資金の注入をさぐっているようだが、ユーザー数の減り続けているPHSにも、基地局のほとんど建てられていないXGPにも未来はない。ウィルコムが浪費している2.5GHz帯は返却し、2.0GHz帯や1.7GHz帯とあわせてオークションにかけるべきだ。これは700MHz帯のオークションのリハーサルにもなろう。電波の価値はウィルコムの分だけでも3000億円だから、財源に困っている民主党政権にも巨額のボーナスが転がり込む。