このごろジャズの新譜はあまり聴かなくなったが、最近いいピアノ・アルバムを続けて聴いたので、紹介しておこう。こういうのは『スウィングジャーナル』のようなPR誌では「前衛」に分類され、国内盤もほとんど出ていないが、そんなにむずかしい音楽ではない。

圧倒的にすばらしいのはAbdullar Ibrahimの"Senzo"だ。なぜ「先祖」という日本語のタイトルがついているのかよくわからないが、74歳とは思えない繊細なピアニズムを聴かせる。彼のアルバムはDollar Brandの時代からほとんど聴いているが、最高傑作はRicky Fordなどと一緒にやった"Ekaya"(廃盤)だと思う。"Water from an Ancient Well"Abdullah Ibrahim, Ben Riley, Carlos Ward, Charles Davis, David Williams, Dick Griffin & Ricky Ford - Water from an Ancient Wellやソロの"Yarona"Abdullah Ibrahim - Yaronaも傑作だ。Keith Jarrettのファンなら好きになると思う。

"Alhambra Love Songs"John Zorn - Alhambra Love Songsは、John Zornのコアなファンを怒らせるかもしれないイージー・リスニング(彼は演奏していない)。Zornはこういう普通の曲もうまく、"Film Works"などはBGMとしても聴ける。ただ彼の最高傑作は、前衛的な"Naked City"John Zorn - Naked City"News for Lulu"だと思う。

"Music We Are"Jack DeJohnette - Music We Areでは、Jack DeJohnetteはピアノも演奏している。これもいいが、アルバムのインパクトとしては、3年前のTrio Beyond名義の"Saudades"Jack DeJohnette, John Scofield, Larry Goldings & Trio Beyond - Saudadesのほうがよかった。