情報通信政策フォーラムのセミナーの記録。
私には文芸家協会や一部の出版社が何を騒いでいるのか、さっぱりわからない。ブック検索を使ってみればわかるが、これは本の一部を「立ち読み」できるだけで、プロモーションにはなっても本が売れなくなる心配はない。来日した全米作家協会の事務局長も、「和解案は絶版書籍をよみがえらせ、著作者に利益をもたらす」と説明している。そもそもこのサービスは公共的なもので、国会図書館も今回の補正予算で127億円を計上してデジタル化とネット公開を進める。外資がやるのには怒るが、お上がやるのには文句をいわないのか。
権利意識の希薄な日本で、こんな話が大騒ぎになるのは奇観である。彼らは「プライバシー」とか「著作権」を騒ぎ立てるのが権利にめざめた「近代人」だと思っているのかもしれないが、これは逆だ。こういう疑わしい権利を「自然権」として絶対化するのは、フランスやドイツなど後進国の法体系である。英米では、権利というのは慣習や妥協の積み重ねにすぎない。著作権も出版ギルドの独占を守る制度として生まれたので、マスメディアというギルドが滅亡すればなくなるだろう。今回の愚かな騒動をみていると、幸か不幸か、その日は近いかもしれない。
追記:英文ブログにも書いた。
私には文芸家協会や一部の出版社が何を騒いでいるのか、さっぱりわからない。ブック検索を使ってみればわかるが、これは本の一部を「立ち読み」できるだけで、プロモーションにはなっても本が売れなくなる心配はない。来日した全米作家協会の事務局長も、「和解案は絶版書籍をよみがえらせ、著作者に利益をもたらす」と説明している。そもそもこのサービスは公共的なもので、国会図書館も今回の補正予算で127億円を計上してデジタル化とネット公開を進める。外資がやるのには怒るが、お上がやるのには文句をいわないのか。
権利意識の希薄な日本で、こんな話が大騒ぎになるのは奇観である。彼らは「プライバシー」とか「著作権」を騒ぎ立てるのが権利にめざめた「近代人」だと思っているのかもしれないが、これは逆だ。こういう疑わしい権利を「自然権」として絶対化するのは、フランスやドイツなど後進国の法体系である。英米では、権利というのは慣習や妥協の積み重ねにすぎない。著作権も出版ギルドの独占を守る制度として生まれたので、マスメディアというギルドが滅亡すればなくなるだろう。今回の愚かな騒動をみていると、幸か不幸か、その日は近いかもしれない。
追記:英文ブログにも書いた。
桂春団治が初めてテレビ出演しようとしたとき、所属事務所が「寄席に来なくなる」と言って反対した話を思い出しました。
阪急電車に急行が走るとき、岡町駅に急行が止まると地元住民が梅田まで買い物に行きやすくなるので、商店街が反対したというのも聞いた事があります。かわりに停車駅となった豊中駅前は地価が上がったとか・・これも噂で聞いた話です。