日本にも香港を

Economist's View経由で知ったが、Paul Romerが「途上国に香港をつくれ」という提案をしているそうだ。

このヒントは中国である。彼らの改革開放政策には、香港の成功が大きな影響を与えている。それは政府の規制が少ないほど経済が発展するという見本を身近に見せているからだ。日本では「特区」の話が出ては消えるが、ほとんど実施に移されていない。香港のような成功モデルがないので、官僚が「規制をなくしたら大変なことになる」とネガティブな話だけを流布するからだ。

アメリカでは、インディアン保護区は主権国家なのでFCCとは別の電波政策をとっており、UWBなどの実験が行なわれている。民主党のマニフェストでは「地方主権」をうたっているが、本気でやるなら（道州などの）地方政府に国家主権を与え、すべての規制を独自に決める権限を与えてはどうだろうか。たとえば不況にあえいでいる北海道が為替レートを独自に設定すれば、たぶん円の半分ぐらいになり、解雇規制を撤廃して実効賃金を下げれば、中国と競争して工場を誘致できるかもしれない。

Comments

[1. ひろ"ゆ"き]

地方政府に国家主権を！！！
>(道州などの)地方政府に国家主権を与え、すべての規制を独自に決める権限を与えてはどうだろうか。
そのとおりですね。
今新型インフルエンザの流行している関西圏では厚労省が規定した対応策を緩和して欲しいと言っています。
地域の実情に合わせて、現場が判る・現場にいる担当者が権限を与えられて判断し、行動する。
この件でも全国一律の考え方の、中央官僚のデメリットが現れていると思います。

[2. KC]

北海道独自為替レート
自分は外貨で稼ぎながら北海道で暮らしているんで、そうなってくれると助かります。

[3. 自由になりたい]

国はいらない
＞政府の規制が少ないほど経済が発展するという見本を身近に見せているからだ。
難しいことはわかりませんが、香港で相続税が廃止されたときは、これで世界中のお金が集りはじめると思いました。お金持ちが集まるからです。
私もそうしたかったのですが・・・、国籍を変えるのはためらわれました。あーあ、税金で根こそぎ取られていくし、そのお金をどうでもいいことに使われるし、国籍なんか無くせば良いのに！日本にいるメリットって何！
為替レートを独自に設定すれば・・・。できるのですか？？
私を含め、ここで皆さんのコメントで、実現したことは何かありました？・・・。
むなしい。

[4. 老耄爺]

都市国家
規制撤廃で成功した所は香港だけでなく、シンガポールは１－２年前に一人当たりＧＤＰで日本を追い越している。香港やシンガポールの成功は規制の少なさもさることながら、都市国家という形態によるところが大きい。人口密度の高い都市国家では道路、港湾、空港、通信、ユーティリティのコストパフォーマンスが大きく、経済効率が高い。これは欧州のルクセンブルグ等の都市国家でも同様な事がいえる。
都市国家のもう一つの特徴は農業が存在せず食糧をほぼ１００％輸入していることだ。農林業ロビーが存在しないので非効率な地方に無駄な税金を投入する必要がない。建国以来、食糧危機に見舞われたこともない。飲料水さえ１００％輸入している。
日本に経済特区を設けたり、北海道が主権国家になったりするのはどうだろうか？例えば北海道の農産物は内地産より今でもはるかに競争力が高い。彼らの為替レートが半分になれば内地の農業は壊滅してしまう。北海道産の農産物には今と同じ高率の輸入関税が掛けられるだろう。結局日本全体を経済特区にするしか解決策はないだろう。

[5. pk-uzawanian]

香港やシンガポールが、流通のコストを下げられるのは政治的な理由です。
財や金の流れを集中させるための政治目的があるからです。
いわば、意図的にマラッカ海峡を作り出しているわけです。
だから意味の無いところに意味のない特区を作ってもそっぽを向かれます

[6. 生物系研究者]

地方の実情に合わない中央による規制
生態学関係の人間の間では有名なのですが、沖縄では農水省が南西諸島の気象や土壌条件に合わない「本土」基準の農地整備事業を展開したため、激しい土壌浸食と農地土壌の海への流入が起こり、珊瑚礁など浅海生態系へ著しいダメージが生じました。
中央官庁が税金として集めた財を一元的な規制のもとに分配するという現在のシステムでは、どうしてもこういう事態を避けるのが困難になります。
道州制というようななまっちょろい形態ではなく、連邦制に移行してしまったほうが中央官庁の過剰規制からは脱却しやすいのではないでしょうか。北海道と沖縄はもちろんのこと、本土、内地と呼ばれる地域も、旧令制国をベースにした連邦にしてしまうと地域の歴史や文化、自然条件に適合した規制撤廃の方向が模索できるのではないかと愚考いたします。
欧米先進国ではフランスが中央集権の強い政治システムですが、イギリス、ドイツ、アメリカ合衆国など連邦国家がかなり幅を利かせていますよね。

[7. bobby]

香港
香港は政府の規制や政府の透明性などの点で世界一だそうです。私の住んでいるところが評価されて光栄です。

[8. 青木]

地方主権
　政府自民党は「国土の均衡ある発展」を高速道路や新幹線建設の目的としたけれど、東京(関東圏)一極集中は進む一方です。いわば全国レベルでのストロー効果。
　財政的に自立できない地方が、主権を主張するには同時に補助金(地方交付税)もいらないと言わなければ筋が通らない。そんなことが言える自治体は東京を除き、どこにもないのが現実。

[9. pk-uzawanian]

経済学は、資源の移動という次元で考えると地政学に応用できるのです。
韓国をめぐるFTAの動きも、香港シンガポールに準じたものです。金大中・ノムヒョン政権時代に多くが用意されました。
北海道円の問題も、仮にこれを自由化すると、米国にいいようにやられます。結局防衛するには、地政学的な国境の拡張である。市場圏の拡大しかないわけです。米国の金融力と軍事力が圧倒的なので、EU型の防衛しかないわけです。
アジアは、韓国をはじめとして、欧米にいいように操られている。
本当のバカです。

[10. スポンタ]

あと遷都かな。
香港のような特区。それも名案ですね。あと、遷都かなぁ。
娘が京都奈良に修学旅行に行ってるんですが、ご存知のように僧侶が政治に口出しするから、都を京都に移した。同様に、日本の政治が混迷しているのも、東京の地域性が政治に影響しているのかもしれません。
池田先生が出演された大阪発のテレビ番組の存在を考えると、あながち間違いではないのか。とも思えます。
大阪遷都。そういう案もあっていいのではないでしょうか。

[11. pk-uzawanian]

香港は、中国南部の古い交易中心地だった広州の入り口に位置します。ここを押さえると中国南部の貿易をコントロールできたわけです。
これはペリーが江戸湾の入り口である下田に領事館を構えたのと同じです。
物流やカネの流れには、要衝はありませんから、コストで広狭を人工的に作り出して、流れの集中を作り出し、そこを監視するわけです。
シンガポールや香港は、そういう設定をされた場所です。近い将来韓国が多分そうなります。
米英は日本が使いづらくなったので、昔、蒋介石に乗り換えたように、韓国を使おうとしています。
米韓FTA、釜山港、仁川空港は、そういう戦略性があると思います。

[12. 暇な人]

左派の牙城の北海道でやっても全く逆の結果になりそうですね。どうせなら、九州あたりがいいような。

[13. ひろ"ゆ"き]

東京でpcの前にいる人には解らない…
>生物系研究者
>沖縄では農水省が南西諸島の気象や土壌条件に合わない「本土」基準の農地整備事業を展開したため、激しい土壌浸食と農地土壌の海への流入が起こり、珊瑚礁など浅海生態系へ著しいダメージが生じました。
そうですね。
10数年前、沖縄に行った時海岸で、10mも歩かない内に見事な枝サンゴが繁茂していました。
しかし、数年しないうちにみんな、"白化"し死に絶えていました。
○場組などの地場ゼネコンが行った公共工事で、赤土が海に流失したのが原因でした。
その頃、橋本龍太郎氏や野中広務氏が大田革新県政を懐柔するためにいろんなことをしていましたね。
SACOの件で中央官僚は沖縄を"テゴメ"にしようとしていましたね…
…あの美しい海は今も心の中に残っています…

[14. 老耄爺]

excommunication
＞地方政府に国家主権を与え、すべての規制を独自に決める権限をあたえては...
殆どの地方自治体が財政的に中央政府に寄生してる現状では独立主権国家になりたいという自治体はないだろう。政府が現在抱える借金の返済を負担する義務を免れても独立を希望する地方はないだろう。日本政府が新独立国に毎年ＯＤＡを与えれば話は違ってくると思うが。
国家主権を望む地方がないなら強制的にこれを与えてはどうか。夕張市のように財政破綻した自治体は日本国から除名するのである。これを制度化すれば地方の財政規律は著しく改善されるだろう。地方債の金利は急騰し簡単に発行出来なくなる。
経済特区をつくるより霞ヶ関を網走か西表島にでも移転した方が良い結果が生まれそうだが。

[15. x-accountant]

地方では難しい
無人の荒野ならともかく、日本の地方では難しいのではないでしょうか。
なぜなら、地方は、閉鎖的な雰囲気や既得権や慣習など、人（文化）が負債になっているからです。生産性の高い人、独創的な人、創造的な人、行動的な人などは、東京へと、自由とチャンスを求めて集まってきてしまいます。あるいは海外へと飛んでいきます。
ですから、特区をつくるなら、地方よりむしろ東京の都心に近くて、下町で元気が良くて、まだ空き地があるような場所が良いでしょう。臨海地域、豊洲とか東雲とか辰巳とか新木場とか。あるいは、23区ではダントツに地価が安い足立区特区とか。

[16. kuborie]

馬関戦争
で、下関が占拠されて、今の香港みたいになっていたら、経済的には良かったかもしれない。
　
と２ちゃんねるにカキコしてあったのが記憶にあります。

[17. pk-uzawanian]

強国が、他国に自由化を迫るのは、それによって資源の移動が国境外に拡張されるからです。
自由化は所得を引き上げるが安全保障は弱まります。
城の外に引っ張り出して、そこを叩くことが可能になるわけです。
今、狙われているのはアジア、特に中国です。
経済成長というアメで引っ張り出されているわけで、
現在、懸命に資源確保に走っています。
この構図は、戦前の日本と同じです。
こんどのインフルエンザだって何が真実か分かったもんじゃない。
言える事は、米国民主党は怖いということ。
酷いことが起きる。
そして日本にリベラル政権を生むと増幅されるだろうということです。

[18. ひろ"ゆ"き]

誤解しておられませんか？
>青木
>財政的に自立できない地方が、主権を主張するには同時に補助金(地方交付税)もいらないと言わなければ筋が通らない。
>そんなことが言える自治体は東京を除き、どこにもないのが現実。

私は別に東京に養ってもらわなくてもケッコウです。
むしろ"東京"から独立したいと思ってしまいます。
今年も某東大に県内の多数の学生が進学しました。
過去、10数人の事務次官のうち、3人占めてた時が有りましたし、今も枢要な位置を占めているようです。
また、実業でも多数が経営幹部として活躍しています。
いつも3月末には県境で進学のためココを離れる若者達を連れ戻したい気持ちでいっぱいです。
彼らが国内(県内)にとどまってくれていたら、多くの国々と伍してゆけるはずだ、と妄想しています。
また、ココでは江戸時代からの伝統で重化学工業やそれに派生する産業が盛んです。
多くの企業が全国規模で展開しており、本社を東京に移して行きました。
"東京"の人たちは自分たちを中心に考えているようですが、地方の私たちはアナタたちの力を借りずにやって行けますよ。
むしろアナタたちに足を引っ張られている、との思いが強いです。

[19. iseeker]

北海道の中国化？
一旦はいいアイデアだと思ったのですが、北海道円が円の半分になったとしたら、北海道から山のような出稼ぎ労働者が本州にやってくるように思うのですが…。
逆に北海道に出稼ぎに行って貯金をしても、本州に戻ったら価値半減になってしまうので、恐ろしくて北海道に出稼ぎなんかいけないように思うんですが…。
中国と競争できる工場は作れますが、働く人は中国人だけみたいなことになりませんか？

[20. zaizeno]

道州制・連邦制・JU（日本連合）
北海道や九州は、ヨーロッパの感覚で言えば十分に独立国になりうるサイズですし、十分やっていけそうですね。
北海道は、地理的に日米露との貿易にうってつけの場所だし、法人税を思いっきり低くするなどの大胆な政策を取れば、日系も含めた外資の流入で繁栄しそう。目指すは日本のフィンランド（人口はほぼ同じ）かエストニアか。
九州は、地理的にもサイズ的にも産業的にも文化的にも、既に独立国であってもおかしくないほど。地の利を生かしてアジア諸国との貿易で更に繁栄できそう。既に江戸時代に出島という特区を持っていた歴史もあることだし、島もいっぱいあることだし、どこか福岡から遠くないところに香港のような特区を設定することもできそう。（しかし、うかうかしていると韓国に先を越されてしまう。）
こうしてみると、中央政府の介入や規制のおかげでせっかくのポテンシャルを生かせてなさそうなのが悲しくなってしまう。今や図体がでかいのはむしろ不利。やはり日本も道州制どころか連邦制、いや、いっそEU風の連合体JUにでもなる方が機動力がついて良いかもしれない。

[21. 江戸川アダモ]

日本連邦
地方が独立するには経営や特定技術分野のプロを雇わないと無理でしょうね。財政的に中央に寄生しておきながら、大きな借金を作ってしまうような体質では破綻は目に見えています。それも含めて全部自己責任で独立できるというならやらせたら良いと思いますが、実際には嫌がる人間は多いでしょうね。
理想的には連邦政府の役割は国防と外交、そして地方（州）の破たん処理や不正の摘発だけをやる。破綻したら債務を整理してどこかの企業か自治体に売却する。企業と同じく市場原理を導入します。そうやって現在の殆どの自治体は淘汰され、6個位の州に集約されると思います。

[22. No_Name]

香港やシンガポールの底辺にどんな人達がいるか知らない人の発言なんでしょうか・・・。
良くも悪くも、貧富の差が極大な場所すぎて、他で作りようが無いだけだと思います。
あぁ、だから「途上国に作れ」って事なのか・・・。
でも、アフリカなんかじゃ腐敗だけが進んでダメでしょ。
香港は中国人だからできたモデルでしょう。

[23. nerdist]

ロシア
ロシアが樺太南部に特区を作らないんですかね。
今回のインフルエンザ対策は、まさに生物系研究者氏が言っておられたことと同様の事態だと思います。膨大な根回しプロセスを重ねて一度枠組みを作ると、それを臨機応変に変えることができない。
そして地方政府も「厚生労働省が通達を変更してくれないと・・・」と言って「許された」範囲でしか対応を修正しない。
こういう地方政府もこういう習性である限りは分権しても最初は同じか、あるいはもっと酷いことになるでしょう。しかし大事なのは淘汰だと思います。突然変異種のよる成功事例が示されれば役人といえど陋習に固執できなくなる。
そういった訳で、ロシアがサハリンで動いてくれることを期待してます。

[24. miharasi_mamiya]

為替レートの独自の設定
為替レートの独自の設定というのは私も考えました。グローバル経済だと一国の中に貧富の差がでてきてしまって、同じ国内で同じ為替レートを使用して国というものを成立させることが難しくなるのではないかという考えが浮かんできています。同じ為替レートで運用している国の中で貧富の差が拡大して行くといずれ、貧しい層は税金が払えなくなり高所得層への重税の流れになるのではないのかな・・・（あくまで1国1為替レートにこだわる場合）。高所得層のみの国？とより貧しい所得層の国？に分かれていかざるをえない経済の仕組みになっているような気がします。

[25. かも]

中国と競争できる体制を作るには、賃金を十分の一にすることです。
　日本国内で、道州制にしようとどうしようとそれはあり得ないでしょう。
　北海道を分離して、中国と同じ文化圏にしようとするのなら確かに可能でしょうけれども。

[26. 上石]

地方はどこから金を借りているのか？
　独自通貨で円の半分の価値しか無くなったら、たぶん北海道は利払いが困難になり経済破綻となるのではないか。