けさの日経新聞(12面)に「昨年の気温、21世紀で最低、地球の気候、当面『寒冷化』、自然変動が温暖化抑制?」という記事が出ている。オンラインには出ていないので、主要部分を引用しておく:
地球の平均気温の上昇が頭打ちとなり、専門家の間で気候は当分寒冷化に向かうとの見方が強まってきた。地球温暖化の主因とされる二酸化炭素(CO2)の排出は増え続け長期的には温暖化が続きそうだが、自然の変動が気温を抑制するように働き始めたとみられている。気温の推移は、温暖化対策の論議の行方にも影響を与えそうだ。こうした疑問は、これまで当ブログでも表明してきた。「緑のニューディール」なととはしゃぐ前に、本当に温暖化が進行しているのか、それは人為的なものなのか、という基本的な科学的事実を解明することが最優先だ。
平均気温は1970年代半ば以降ほぼ一貫して上昇。しかし98年をピークにこの10年間は横ばいないし低下し、2008年の気温は21世紀に入り最も低かった。この結果、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が予測する気温の上昇カーブとの隔たりが拡大。IPCCは気温が2000~25年に10年あたり約0.2度のペースで上昇するとしているが、実際は最近十年で約0.2度下がった。
気温低下の原因として専門家が有力視しているのが、海の自然変動の影響。太平洋では数十年ごとに水温が上下する太平洋十年規模振動(PDO)という現象が知られる。PDOの高温・低温期は、平均気温の上昇・下降期とほぼ連動。2000年前後にPDOが高温期から低温期に切り替わったと見られている。
寒冷化との関係で太陽活動の「異変」も注目されている。米航空宇宙局(NASA)は昨年9月、「太陽活動が約50年ぶりの静かさ」と発表。その後も太陽活動は静かな状態が続いている。太陽の日射量の変化のほか、太陽磁気の変動が地球の気候に与える影響への関心が高まっている。
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