年末や年始には「レコード・アカデミー賞」や「ジャズ・ディスク大賞」などが発表されるが、こういう賞はレコード会社と電通の営業で決まるレコード大賞と同じだ。ガイドブックを書く音楽評論家もレコード会社の賄賂で生活しているので、日本の「名盤ガイド」の類はレコード会社のカタログと思ったほうがいい。

これに対して、英語のコンシューマー・ガイドは競争が激しいので、そういういい加減なものは淘汰されてしまう。ペンギンのガイドブックは、いずれもほぼ毎年アップデートされ、年末に出た最新版は1600ページ以上ある。CDだけでなくダウンロードも含めて1万枚近い録音が網羅され、すべての演奏が星4つで評価されている。ロックについてはRolling Stoneのガイドが有名だが、少し古いので、最新の情報を入手するにはAll Music Guideのウェブサイトを見たほうがいいだろう。

ただ、こうした本格的なガイドはあまりにも網羅的で膨大なので、カジュアルなガイドとしては"1000 Recordings"のほうがいいかもしれない。すべてのジャンルの音楽をアルファベット順に並べているので、ABBAの"Gold"に続いて、Muhal Richard Abramsの"Blu Blu Blu"やJohn Adamsの"Harmonium"が続く脈絡のなさが、読んで楽しめる。