最近、スティーブ・ジョブズが異常にやせたように見えることが、いろいろな憶測を呼んでいる(写真の左は2003年、右は現在)。彼が今年の初めに何かの手術を受けたことが報じられたが、アップル社の広報は「彼の健康状態はプライバシーだ」としか答えない。NYタイムズとの電話インタビューで、ジョブズはオフレコを条件に(!)この質問に答えた。その記事のわかりにくい表現によれば、彼は癌の再発を否定したようだ。

この出来事は、企業の情報開示についてデリケートな問題を提起している。最近、公開企業はさまざまなリスク要因の開示を求められているが、経営者の健康状態はそこに含まれていない。しかしアップルにとって、ジョブズの健康状態は明らかに個人的な問題ではない。マイクロソフトはビル・ゲイツが去っても業績を維持できるだろうが、アップルがジョブズなしでやっていけると思う株主は少ないだろう。

経営者の健康に問題があるとき、その病状は財務諸表に「リスク要因」として開示を義務づけるべきだろうか? あるいは経営者が交代する可能性があるときは(健康状態に限らず)開示すべきだろうか?