2.5GHz帯の美人コンテストで「落選確実」の新聞辞令を出されたソフトバンク陣営は、きのう記者会見を開いて、「電波監理審議会は即日答申せず、審議を尽くせ」と要望した。審議会に諮問された段階で決定、という霞ヶ関の奇習に挑戦する事業者が登場したことは頼もしい。

私も「中の人」だったことがあるから知っているが、官僚は審議会を自分たちの決めた方針を学界の権威の名前でオーソライズする場だと思っている。電監審は、特にひどい。数年前、ある研究会で当時の電監審の会長と同席したとき、私が「デジタル放送のアナアナ変換に国費を投入するのは、これまでの電監審の『免許の変更にともなう補償はしない』という方針と矛盾するのではないか」と質問したら、絶句してしまった。現在の会長は、事務局の答申を最初のページから逐語的に読み上げることで有名な御用学者だから、このままでは即日答申になる可能性が高い。

アメリカのcouncilは、これとはまったく違う。私はFCCの審議会を何度か傍聴したことがあるが、一般人も参加自由で、「FCCの方針は技術的にナンセンスだ」といった批判が、傍聴席からどんどん出る。委員もそれに真剣に答えるので、半日ぐらいかかることも珍しくないし、事務局の諮問した案が否決されることもある。電波の割り当ても、今度の700MHz帯オークションには、実に266もの企業が応札し、激しい闘いが始まる。今ごろ初めて枠を超える企業が応募した日本とは、競争の真剣さがまったく違うのである。

今度の2.5GHz帯は、数千億円の価値のある国民の共有資産の有効利用にかかわる重大な問題であるばかりでなく、今後の美人コンテストの前例ともなる。ソフトバンク陣営の主張するように、電監審は即日答申せず、国民参加の美人コンテストを開いて、ユーザーにとってどういう電波の割り当てがもっとも望ましいのかを透明な基準で審議すべきだ。彼らがやらないなら、ICPFがもう一度やる。

追記:即日答申で、予想どおりKDDIとウィルコムに免許が与えられることが決まった。羽鳥会長は、たった4時間で何を審議したのか、説明責任を果たせ。