当ブログは、経産省やNHKなどから「有害サイト」指定を受けて見られなくなっているので、休日のうちに次期財務長官に最有力とされるラリー・サマーズが設立に参加した「仮想シンクタンク」Big Thinkのビデオを紹介しておこう(日本語字幕つき)。himaginary氏のトランスクリプションもつけておく:

  • いつもは挑発的な言辞を弄するが、これについては(規制派のジョージ・ソロスと規制反対派のロバート・マートンの)中間的な立場を取る。
  • 金融工学の立場からボブ(マートン)がいろいろ解説してくれたが、それは飛行機の墜落事故の原因究明において、誘導制御の問題やパイロットのミスについて述べるのに似ている。しかし、飛行機が相次いで墜落し始めたら、航空産業全体の問題として考えるべき。
  • 一方で、金融工学に経済危機問題の原因をすべて帰するのも行き過ぎ。たとえば、日本の90年代の不況やITバブルの崩壊は金融工学が原因で起きたわけではない。
  • 金融工学は専門家だけに任せるには重大すぎる。たとえばファニーメイとフレディマックは、政府がプットオプションを売ったと考えることができるが、その危険性を金融工学の専門家は認識していたものの、彼らの啓蒙が不十分だったこともあり、世間は十分理解していなかった。
  • 古代ギリシアの時代から、経済危機の原因が貪欲と恐怖にあることも忘れてはならない。
字幕でfinancial engineeringを「金融工業」と訳しているのは驚いた。