今週の月曜、UBSは株主総会で、彼らがサブプライムローンでおかした失敗を分析する報告書を配布した。これは要約版で50ページ、本文は400ページにも及ぶ詳細なものだ(Fortune)。

それによれば、最大の失敗は、2005年にDRCMという「内部ヘッジファンド」を設立し、CDOなど不動産関連の投資を大規模に行なったことだ。DRCMはUBSの一部門として創設されたため、会計も分離されず、資金もスタッフも内部から調達し、「UBSからの与信枠は無限大だった」と責任者は証言している。しかも主要なスタッフをDRCMに動員したため、UBS本体のリスク管理が機能しなくなったことが重大な結果をまねいた。

DRCMはUBSのエリート集団だったため、内部牽制が十分行なわれず、DRCMもそうした警告を無視した。また金融技術によるヘッジを過信し、"tail event"(特異現象)に注意を払わなかった。結果的には、この特異現象による暴落が損失のほとんどだった。不動産証券の流動性を過信していたため、最終的に処分しようとしたときは市場が崩壊しており、証券は紙くず同然になった。

この報告書を読むと、今回のようなBlack Swan現象には金融技術なんか役に立たず、そういう特異現象に対する危機管理ができていなかったことが失敗の原因らしい。しかし、こんな巨額の損失を半年足らずで詳細に報告するところに、むしろ彼らの強さを感じる(事実UBSはシンガポールの政府系ファンドから出資を受けた)。90年代後半の邦銀は、やろうとしてもできなかっただろう。正直に報告したら、ほとんどが債務超過だったから。