文科省のスーパーコンピュータ、「地球シミュレータ」が、来年度で運用停止するそうだ。年間50億円も保守経費がかかるためだという。『未来を予測する技術』で佐藤センター長が自慢するように、かつては世界最高速を誇ったスパコンも、今年の世界ランキングでは30位。日本でも、東工大のTSUBAMEに抜かれたが、600億円という建設費はいまだに世界記録だ。

世界的には、TSUBAMEのようにPC用の汎用CPUを並列につないだグリッド・コンピューティングが常識で、地球シミュレータのようなベクトル・プロセッサを使った「大艦巨砲」型のスパコンは、もうつくられていない。ところが文科省は、1150億円もかけて次世代のスパコンを建設する計画で、もう予定地まで決まっているという。

野依良治・理化学研究所長は「国際競争に負けてはならない」などと技術ナショナリズムをあおっているが、問題は何のために計算するのかという目的であり、そのためのソフトウェアの開発である。目的さえ決まれば、汎用CPUをつなげば速度はいくらでも上がる。研究の目的を抜きにして、計算速度だけを競うのは意味がない。時代錯誤の「戦艦大和」をこれ以上つくるのはやめてほしい。