Freakonomics Blogより:
バラク・オバマ氏も指摘するように、イラク戦争への兵員増派についてのライス国務長官の説明は、要するに「ここで引き下がると、これまでの努力が無駄になる」という論理だが、これは典型的なサンクコストの錯覚である。
こういう場合に計算が必要なのは、過去にどれだけ投資したかではなく、今後の選択肢のうちどれがもっとも収益が高いか(あるいは損失が少ないか)である。2万人ぐらいの増派で情勢が好転する可能性は低い(それはライス氏でさえ認めている)が、撤退すると内戦状態になり、現政権が倒れることは避けられないだろう。しかし米軍が永遠に駐在し続けない限り、それはいずれにしても避けられない。つまり今回の増派は、破綻の表面化を先送りする効果しかない。それは90年代に日本の銀行がやった不良債権への「追い貸し」と同じ、価値破壊的な投資なのである。