ライブドア事件は、米国のエンロン事件とよく似ている。企業買収→株価の値上がり→株式交換が有利になる→さらなる企業買収・・・という悪循環によって株価が過大評価され、最後はその株価に見合った業績を「創造的会計処理」で作り出す。その道具としてエンロンの利用したのがオフバランスの特別目的会社であり、ライブドアの場合は投資事業組合だったわけだ。

これは特殊な犯罪的企業だけの問題ではなく、株価が過大評価された企業には起こりがちな「エイジェンシー問題」の一種である、とJensenは論じている。こうした株価操作は、一度手を染めると、その結果として生じる株価の値上がりを正当化するためにさらに大きな嘘をつかなければならない「経営者のヘロイン」である。

この麻薬を撲滅することはむずかしい。それは古典的なバブルのように市場全体で起こるとは限らず、ライブドアのように特定の(株価を意図的に膨らませている)企業に限って起こることもあるからだ。しかし、それを見分ける方法はある。経営者がメディアの有名人になって「世界一の会社になる」などと大言壮語するのは、悪い兆候である。