NHKの経営計画案が、来週発表される。その内容は、去年の「新生プラン」の延長上で、経営委員会のなかに「指名委員会」を作るなど、「企業統治」を強化するのだそうだ。民間企業の「委員会等設置会社」にならったものだというが、いくら委員会ばかり作っても、経営陣が劣悪だと役に立たないのは、ソニーをみればわかる。

肝心の受信料については、学生に割引するなど細かい話ばかりで、制度そのものを見直す気はないらしい。竹中懇談会のテーマになりそうな「電波の整理」についても、やめる方向で検討しているのはFMの文字放送だけだという。このように最初から枠組みをせばめてしまったら、思い切った改革などできっこない。問題は一部のCPの着服ではなく、見ても見なくても徴収される受信料という奇妙な制度への不信が高まっていることなのだ。

企業統治を論じるなら、まず検討すべきなのは、予算に国会の承認を得る「特殊法人」という経営形態である。これが変わらないかぎり、政治家に弱みを握られ、海老沢氏のような「国会対策」のプロが実権を握ることは避けられない。たしかに小泉首相のいうように、2001年の閣議決定ではNHKを特殊法人のままとすることになっているが、これは省庁の再編にともなって特殊法人を民営化したり独立行政法人に移行したりしたときのものだ。その省庁の再々編も議論するというのだから、わずか4つだけ残った特殊法人の形態を見直すのは当然だろう。