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CNETの森祐治さんのブログに、おもしろい指摘がある。Googleなどの広告は、従来のマス・マーケティングとは違い、「ロングテール」と呼ばれるカーブの裾野の部分を対象にしているのだという。これは、このブログでも取り上げた「ベキ分布」のことである。

ベキ分布の特徴は、横軸に商品を売れる順に並べ、縦軸にその売り上げをとると、裾野が長いということだ。左端のピークの部分がマス市場だとすると、裾野の部分はニッチ市場だが、この部分がきわめて長いと、その面積がマス市場を上回ることもある。この話題のきっかけとなったWiredの記事によれば、普通の本屋の在庫は最大でも13万タイトルだが、アマゾンの売り上げの半分以上は上位13万タイトル以外の本から上がっているという。

マス・マーケティングでは「20%の商品が売り上げの80%を稼ぐ」といわれるが、これはロングテールの途中で取引費用が売り上げを上回り、尾っぽが切れてしまうためだ。インターネットでは、取引費用が極度に小さくなるため、この尾っぽが果てしなく長くなり、その部分から上がる売り上げが大きくなるのだ。この尾っぽの部分に顧客を誘導するのがアマゾンの「おすすめ」である。

これがインターネットにおけるマーケティングがマス・マーケティングと決定的に異なる点であり、eBayやGoogleのAdSenceが成功した原因である。これから「通信と放送の融合」が進む際にも、インターネットではテレビのような大衆的な番組よりもマニアックな(少数の人に強く支持される)番組のほうが成功するだろう。