Bolton-Dewatripontの教科書が来た。裏表紙の推薦の言葉では、Tirole, Aghion, Hart, Varian, Maskin, Holmstromが「ここ30年のミクロ経済学の成果の集大成であり、契約や組織についての教科書の決定版だ」と太鼓判を押している。

Laffont-Martimortや伊藤秀史さんなどのいい教科書もあるが、ほとんど完備契約に終始している。本書は1/3が不完備契約にさかれており、これが決定版たる所以だろう。この部分だけならHartの(いまや古典となった)教科書もあるが、その後の膨大な研究を体系的にまとめたものがなかった。組織や制度を論じる場合に使うのは、もっぱら不完備のほうなので、あちこち論文を読む必要がなくなるのは、ユーザーとしてはありがたい。