「あなたは真だと信じているが証明できないことは何か?」

これがEgdeの2005年の年頭質問のテーマである(ダイジェストがNYタイムズにある)。神とか進化論とか不完全性定理とかいうのはまあ当然として、おもしろかったのはP.W. Andersonの「超弦理論は不毛だ」という話である。彼によれば、これは物理学が実験ではなく「世界はかくあるべきだ」という信念によって理論をつくるベーコン以前の段階に逆行する兆候だという。

だとすれば、新古典派経済学は最初から最後までベーコン以前の段階にあるということになる。さらにマクロ経済学でも、実物的景気循環のような「かくあるべき」理論がノーベル賞をもらったりするのは、この業界の知的退廃がかなり重症であることを示している。私は、むしろ経済物理学のように実証データに徹底的にこだわる方向のほうが健全だと思う。