自民党の憲法改正案が出た。世の中の注目は「自衛軍」などの第9条に関連する部分ばかりに集まっているが、私はむしろ基本的人権の「追加」が問題だと思う。

報道によれば、名誉権、プライバシー権、肖像権、知る権利、犯罪被害者の権利を新たに基本的人権として創設するそうだが、最初の3つは表現の自由を侵害するおそれが強い。特にプライバシー権を認めると、個人情報保護法をめぐって起こっている混乱は、さらに拡大するだろう。名誉権や肖像権も、表現の自由を侵害する理由になりやすい。

そもそも、こうした「人権」を憲法に明記する意味は疑わしい。ハイエクもいうように、正義の概念は、ポジティヴな人権としてではなく、最小限度の財産権などを保護するネガティヴな自由権として規定すべきなのだ。