ゲーム理論が流行しているらしい。そういえば、最近、本屋で「ゲーム理論で経営に勝つ」みたいなタイトルをよく見るが、こういう本を読むのはやめたほうがいい。経済学を学んでも金がもうからないように、ゲーム理論を学んでもゲームに勝てるわけではない。それに経営学者の振り回すゲーム理論は、恐ろしくお粗末だ。

他方で「ゲーム理論批判」みたいなものも出てくるようになったが、これはもっと相手にしないほうがいい。金子勝に典型的にみられるように、もともとゲーム理論を理解していないのがほとんどだからである。そのなかで、竹田茂夫『ゲーム理論を読みとく』(ちくま新書)は、少なくとも著者が理論を理解しているだけでも救われる。

ただ、この本も「人間の行動は戦略的ではない」という類の超越的な批判で、経済学者が読んでも参考にはならない。経済学は、人間を利己的な個人として単純化する点に特長があるので、それを捨ててヴィトゲンシュタインだのハーバーマスだのといい出したら、本書のように何の結論も出ないのである。