郵政公社の生田総裁が、竹中郵政民営化担当相に抗議の意見書を出したという。

業務範囲などに制約があっては他社と競争できないというのは、一般論としては正論だが、問題は、公社が実質1兆円も免税されて民間と競争するのが公正といえるのかということだ。これはNHKの「肥大化」問題と同じで、個別の業務について行政が監視するのではなく、経営を完全に民営化しないかぎり、公正競争は実現しない。

中途半端に政府から切り離して一挙手一投足を監視する「民営化」はNTTでも行われ、現在のようないびつな競争しか生まれなかった。このときも「分割」が争点になったが、企業の境界を決めることはもっとも重要な経営問題であり、これを自主的に決められないようでは、NTTのような「セミ民間企業」しかできない。

経営者が経営に100%の権限と責任を持たないかぎり、企業の経営はできない。生田氏が自由に競争したいのなら、まず公社という形態をやめ、法人税を収めるのが先である。この肝心の問題を曖昧にするから、いろいろ政府の介入が起こるのだ。ユニバーサル・サービスなどの問題は「デカップリング」して解決できる。