日放労が海老沢会長の退陣を要求したとか、日テレの氏家会長が「3期でやめろ」といったとか、NHKというより「海老沢バッシング」が盛り上がっている。私のところにも週刊誌などがコメントを求めてくるが、材料は末端職員の不祥事ばかりで、なんでこれが会長の責任問題になるのかわからない。

新聞協会は、またNHKの「商業化」を批判しているという。NHKの肥大化を批判するなら、なぜ郵貯のように「民営化しろ」という話が出てこないのか。それは、現在の民放の番組がひどすぎるからだ。いしいひさいちの漫画でいえば、レベルの低い「地底人」NHKが、それよりも低い「最底人」民放と闘っているという図である。

海老沢氏個人をたたいても意味がない。彼のようにテレビについての知識も経営能力もない人物が長期政権を続けられるのは、NHKが「国営」だからである。政府のごきげんをとるのが最大の仕事だから、彼のような政治部出身のロビイストがトップになるのだ。これは氏家氏をはじめ、民放もみんな同じである。

問題は、海老沢氏の資質でも「商業化」でもない。実質的に国営の放送局が11波も持っているという異常な状況であり、少なくとも一部を民営化しないかぎり、根本的な解決にはならない。民営化といっても、広告ではなく「視聴料」で運営するBSのような方式でやれば、質は落ちない。今回のスキャンダルをきっかけに、NHKの経営形態について議論してほしいものだ。