もう元号を使うのはやめよう

mig政府は平成31年1月1日から新しい元号にする検討を始めた…と聞いて、とっさに西暦何年のことか、わかる人は少ないだろう。平成31年とは2019年のことだ。今度これが新元号になると、2020年から「新元号」2年、3年…となり、年数の計算は一段とややこしくなる。

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「明治国体論」を批判した北一輝

評伝 北一輝 II - 明治国体論に抗して (中公文庫)
世界的に、リベラルの退潮が目立つ。今年は日本でも、憲法改正など保守派が巻き返すだろう。そのリーダーはもちろん安倍首相だが、彼の歴史認識のコアには、いまだに靖国神社に代表される「明治国体論」があるようにみえる。その矛盾を最初に批判したのは、岸信介が師と仰いだ北一輝だった。

一般には、北は二・二六事件を指導したファシズムの元祖だと思われているが、初期の『国体論及び純正社会主義』は教育勅語を否定し、穂積八束などの天皇大権説を「国体論の中の『天皇』は迷信の捏造による土偶にして天皇に非ず」と強く批判して発禁になった。土偶というのは、彼の表現でいえば「土人部落」である日本で国民をだます偶像のことだ。

天皇は明治政府の国体論者に利用され、万世一系なる迷信で正統化されているので、これを改めて天皇を「国家の機関」として位置づけることが、彼の革命の目的だった。それは国家社会主義というより、レーニンの社会主義に近い。1906年の段階で天皇機関説を唱えていた北が、なぜ二・二六事件で天皇を利用したクーデタを企てたのだろうか?

続きは1月16日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。

靖国神社という「偽の伝統」


慰安婦像の騒ぎにからんで、また韓国が稲田防衛相の靖国参拝を持ち出している。靖国には朝鮮人日本兵2万1000人(すべて志願兵)の霊も祀られているので、彼らがそれを攻撃するのは天に唾する行為だが、それはともかくとして、こういう非生産的な紛争を避けるために、閣僚の参拝はやめたほうがいいと思う(論理的な反論は歓迎する)。

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社会保障が日本経済を食いつぶす

nenkinきのうのBS朝日「激論!クロスファイア」でも、朝日新聞の「経済成長は永遠なのか」という記事が話題になった。このタイトルが示す通り、朝日は「成長は永遠ではないのであきらめろ」といいたいらしいが、田原総一朗さんも竹中平蔵さんも私も「まったくナンセンス」ということで意見が一致した。

この記事の致命的な欠陥は、今の財政が成長を前提に設計されているという事実を見落としていることだ。その最たるものが社会保障である。厚労省の「年金100年安心プラン」の想定している名目運用利回りは、4.2%(中央値)。これは実質賃金が毎年2.6%も上がると想定している。2100年までこんな高成長を前提にして、公的年金は運用されているのだ。

朝日新聞的に説教するなら、「成長を前提にした制度設計を見直せ」というべきだった。特に年金も医療も介護も賦課方式になっているので、人口が減って成長しないと加速度的に現役世代の負担が増える。金融資産の65%をもつ60歳以上に現役世代から所得を逆分配するので、若年層は貧困化する。彼らがそういう不安を感じているから、個人消費が増えない。このまま放置すると、社会保障が日本経済を食いつぶしてしまう。

続きは1月9日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。

慰安婦問題とトランプ大統領の奇妙な類似

キャプチャ

「少女像」が釜山の日本総領事館前に設置されたことに抗議して、日本政府は駐韓日本大使・総領事を帰国させ、日韓スワップ協定の協議を中断した(写真は産経新聞)。これに対するネット上の反応は、圧倒的支持だ。

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カリスマ経営者はギャンブルを続ける

権力と支配 (講談社学術文庫)
来週からスタートするアゴラ政経塾「ポピュリズムの時代」では、トランプに代表されるカリスマ的支配のゆくえを考える。これはウェーバーの造語だが、カリスマは非日常的な天才であり、制度的に設計できない。国家権力を法律で制度化しても、カリスマの精神的権威は制度化できないので、アメリカ大統領は1年近い予備選と本選挙で選ばれる。大統領の法的権限は弱いが、彼のシンボリックな求心力が国家を統合しているのだ。

これは企業経営で、創業者がカリスマ的な支配力をもっているのと同じだ。経済学の言葉でいうと、例外状態についての残余コントロール権をもっていることがカリスマの条件である。これはカール・シュミットの言葉でいうと「主権者」で、定義によって非日常的な存在だから、日常化するとカリスマ的な魅力を失う。

このようなカリスマの日常化は、国家にとっても企業にとっても大きな試練だ。国家の場合はトランプのように次々に事件を起こして求心力を保つが、企業の場合は次々に大きなギャンブルをする。それ自体は悪いことではないが、あまりにもカリスマ性が強いと、まわりが誰も止められなくなる。その典型が、東芝の西田厚聡社長だった。

続きは1月9日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。

「姥捨て」という都市伝説


世の中には、意外に根も葉もない都市伝説が受け継がれているもので、「姥捨て山」というのもその一つだ。これは深沢七郎が『楢山節考』で創作した物語であり、そんな歴史的事実はまったく存在しない。

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ポピュリズムは「国家の民営化」

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1月13日(金)から、アゴラ政経塾「ポピュリズムの時代」がスタートする。あえてタイトルに「時代」とつけたのは、これが一時的な現象ではないことを示すためだ。といっても私がドナルド・トランプの政策に賛成しているわけではない(ほとんど反対だ)。彼のような独裁的な意思決定が、世界に広がる理由があるのだ。

これは企業経営では、1980年代から始まった。それまでは19世紀型のオーナー企業から、所有と経営を分離した「経営者資本主義」に移行するのが必然だといわれた。その手本が、資本家が弱く労使協調の「日本的経営」だった。

アメリカでは大企業の経営者がキャッシュフローを浪費するエージェンシー問題が深刻化し、ファンドが多角化した企業を買収して無駄な部門を売却する公開企業の民営化(privatization)が始まった。企業の民営化という日本語は変だが、これはLBOなどによって上場企業を「非公開企業」にすることで、意思決定が効率的になった。日本でソフトバンクやユニクロなど独裁的なオーナー企業が強いのも同じ理由だ。

そしてアメリカの独裁的経営者トランプが大統領になると、連邦政府を民営化するだろう。これはリベラルなエリートを「中抜き」して、合衆国のオーナーたる国民が独裁者に政治をゆだねる「直接民主制」であある。

続きは1月9日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。

憲法の何を改正するのか

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安倍内閣の支持率は60%を超えて絶好調だが、その最大の原因は蓮舫代表に象徴される野党がますます万年野党化したことで、政権が大きな実績を上げたわけではない。経済政策は弾を撃ち尽くしたので、今年出てくるのは安倍首相の悲願とする憲法改正だろう。私は改正できるならしたほうがいいと思うが、そもそも何を改正するのだろうか。

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借金を「肩代わり」した革命

185px-Fukuyama-han_hansatu1730アゴラこども版で書いた「ゾンビ企業」の問題は、経済学ではソフトな予算制約(SBC)としておなじみだ。この言葉をつくったコルナイによると、これが社会主義の崩壊した最大の原因だという。SBCが厄介なのは、問題が薄く広く分散するため、被害が見えにくいことだ。今の日本の政府債務もこれに似ている。

江戸時代の各藩の財政も1700年ごろ行き詰まっていたが、そこから幕藩体制が崩壊するまでに150年以上かかった。ただ当時の民衆は、徳川の武士が薩長の武士に「大政奉還」しただけで、大きな変化とは思っていなかった。それが革命になったのは、1871年の廃藩置県によってである。

幕藩体制の中核だった各藩が「自発的に」権力を放棄したのは、世界史にも類をみない革命だった。その最大の原因として多くの歴史家が指摘するのは、各藩の財政が行き詰まっていたことだ。1870年の段階で各藩の「政府債務比率」は藩の収入の約3倍に達しており、権力をもつメリットはなかった。

新政府は各藩の債務を「肩代わり」すると称して、藩札(写真)を非常に低い為替レートで円に切り替え、「旧藩債償還法」で債務の大部分を踏み倒した。このため巨額の藩債を保有していた大坂の豪商は破産し、江戸の札差も没落した。同じ手は、これからも使えるかもしれない。

続きは1月9日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。






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