WiMAX

日本でも来年、WiMAXへの周波数割り当てが決まるもようだ。「IMT-2000プランバンド」だった2.5GHz帯にiBurstなどと一緒に認める方向だという。

WiMAXについては、実機が出る前から「携帯電話に取って代わる」という強気の見方と「有線では採算のとれない田舎むけ」という否定的な見方があるが、とにかくモノが出てきて、動かしてみないとわからない。

11/25のセミナーでは、このWiMAXの話題も取り上げる予定なので、関心のある向きはどうぞ。

NTT再々編(3)

11/7の記事は、私の早とちりだったようだ。きょう正式に発表された中期経営戦略によると、NTTコムに集約するのはISPなどのサービスだけで、IPインフラ(次世代ネットワーク)は全国一体で構築し、東西会社がもつようだ。

これでは、光ファイバーが政府の規制を受ける厄介な状況が今後も続くことになる。どうせなら、東西会社の子会社は規制の対象にならないのだから、IPインフラは子会社がもって、東西会社はLoopCo(0種会社)になったほうが自由度が上がると思うのだが、やはり「土管会社」になるのはいやなのだろうか。

第6回ICPFセミナーのお知らせ

「ワイヤレス・ブロードバンドをめぐる政策とビジネス」

スピーカー:中村秀治(三菱総合研究所 次世代社会基盤研究グループ・リーダー)
       竹内一斉(アイピーモバイル取締役)
モデレーター:真野浩(ルート株式会社 社長)

携帯電話に3社が参入し、話題のWiMAXにも周波数を割り当てる方針が打ち出されるなど、電波の世界が大きく動いています。総務省の「ワイヤレス・ブロードバンド推進研究会」では、こうした問題を含めて様々な議論が行なわれました。このセミナーでは、研究会のメンバーである中村さんと、今回 2.0GHz帯で携帯電話に参入する意向を表明したアイピーモバイルの竹内さんをお招きし、無線ブロードバンドの今後について考えます。

日時:11月25日(金)19:00~21:00
場所:東洋大学白山キャンパス 3号館3204教室(いつもと部屋が違います)
   東京都文京区白山5-28-20
   地下鉄三田線「白山」駅から徒歩5分
   地下鉄南北線「本駒込」駅から徒歩5分
入場料:2000円
    ICPF会員は無料(会場で入会できます)

申し込みはinfo@icpf.jpまで電子メールで(先着順で締め切ります)

NTT再々編(2)

読売新聞によれば、NTTグループのインターネット関連事業はNTTコムに集約するそうだ。これは、われわれの提唱してきた「NTT-IP」に近いが、インターネットを奪われた東西会社はどうなるのか。固定電話だけでやっていけるのか。

むしろ知りたいのは、固定電話をどう「清算」するかである。電話のユニバーサル・サービスが必要だというのなら、これは国営企業として切り離すしかない。

マルチチュード

古典的な名著『<帝国>』の続編の邦訳、『マルチチュード』(NHKブックス)が出た。しかし残念ながら、その出来は前著に遠く及ばない。

前著の弱点は、<帝国>に対峙するはずの「マルチチュード」の概念が抽象的で曖昧だということだった。著者もそれはわかっていたらしく、その部分を補うのが本書だが、上下巻600ページあまりを読んでも、その曖昧さは変わらない。

「反グローバリズム」運動を評価しているようなしていないような書き方で、具体的な運動論としてはほとんど何も書かれていない。「新自由主義」に対する批判も通俗的だし、知的財産権に対する批判も常識的だ。それに対置してインターネットやオープンソースがマルチチュードのモデルとして出てくるのも、「今ごろ気づいたの」という感じだ(私も前著の書評で書いた)。

そういうモデルがサブシステムとして成り立つことは、わかっている。問題は、それがグローバル資本主義の<帝国>に取って代われるような完結したシステムなのかどうかなのである。このへんについては、はっきりいって著者のどちらもインターネットを理解していないから、まったく議論になっていない。

地域IP網

朝日新聞によると、NTTは「地域IP網」をやめて全国一体の光ファイバー網を構築する方針だという。技術的には、当然のことだ。国境のないインターネットに県境を設けて、互いに接続もできないというネットワークは、世界にも例をみない。

競合各社は、最近のこうした動きを「NTTの再統合だ」と批判しているが、もう時代は変わったのだ。電話網のように長距離網と市内網がピラミッド型になっているネットワークなら、各市内網を切り離すことにも意味があるが、IP網はメッシュ型に構成するのがもっとも効率的だから、どのノードも切り離せないのだ。

シェアでみても、NTTが圧倒的に優位なのは、加入者線(銅線)だけである。その独占的行動を阻止するには、加入者線をNTTから切り離してはどうか。あとは普通の会社と同じように、独禁法で取り締まればよい。総務省の電気通信事業部を公取委に吸収すればよいのである。

クロムサイズ判決

情報通信政策フォーラムでも話題になったクロムサイズのテレビ共同受信設備「選撮見撮(よりどりみどり)」について、大阪地裁は販売差し止めを命じる判決を出した。それによれば、このシステムは
電気通信回線を通じて多数の利用者にサービスを提供することから、公衆用自動複製機械の使用に該当するとし、放送を送信可能化するものであると認定。集合住宅にシステムが設置された場合には、放送局の著作隣接権を侵害することがほぼ必然である
という。フォーラムでも議論したように、こういう情報を蓄積するコンピュータがすべて違法ということになったら、ホスティング・サーバやキャッシュ・サーバなどはすべて違法になる。こういう愚かな判決を出す裁判官は、コンピュータの知識がないのではないか。



デジタル放送に国費投入

米国でも、とうとうデジタル放送に国費が投入されることになった。NYタイムズによれば、2009年にアナログ放送を止め、アナログ受像機でデジタル放送が見えるようにするコンバータに30億ドル支出する法案が上院の委員会を通過した。

日本でも、2011年のデッドラインを守るには手段を選ばないようだから、同様の措置がとられるおそれが強い。それがわかっていれば、あわててデジタルテレビを買うのは損だ。

知的財産権の功罪

最近、米国を中心に進められている「プロ・パテント」の動きには問題があるが、「知的財産権」に積極的な意味があるとすれば、それによって知識が「モジュール化」され、「アイディアの市場」が形成されることだろう、とEconomist誌が論じている。

私もおおむね同感だが、このアイディアの「商品化」の過程に政府が介在するところが問題だ。しかも財産権がどこまで及ぶのかが不透明で、所有者が複数いる「アンチコモンズ」が生じやすい。ただ財産権にしても、定着するのに数百年かかっているので、情報を効率的に流通させるしくみができるのも、百年以上はかかるのだろう。

ノーベル賞

今年のノーベル経済学賞(正確にはノーベル記念スウェーデン銀行賞)は、オーマンとシェリングに授賞された。

この決定は、ただでさえ批判の多い「経済学賞」への疑問をさらに強めるだろう。オーマンがゲーム理論の発展に貢献したことは確かだが、彼の仕事は理論的には袋小路で、今は受け継がれていない。シェリングの仕事は、ゲーム理論の応用の一つにすぎない。







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