ツベルクリンでBCGの効果が再活性化する?

BCG仮説については、世界中で毎日のように論文が出ている。相関関係に疑問があるという論文もあるが、ほとんどは統計的に有意な相関を見出している。たとえばヘブライ大学の論文では、年齢や所得など多くの変数をコントロールした上で、BCG接種の期間と死亡率に相関があるという。

おもしろいのは東工大の論文で、BCGの株(strain)の違いを分析して、BCG義務国と非義務国の違いより、日本株(Tokyo 172)と他の株の違いのほうが大きいという。これによると、左上の日本は世界一安全な国である。

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もう一つ大事なニュースは、BCGの陽性を確認する試薬ツベルクリンが、BCG接種の効果を再活性化するかもしれないという話だ。これはBCGを打った経験のある人に限られるが、事実なら、ツベルクリンは今の子供には打たないので、BCGの品不足などの問題はなくなる。


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安倍首相は「緊急事態ギャンブル」に敗れた


安倍首相の4月7日の緊急事態宣言は、日本では珍しく数値目標と達成時期を明確にした政策だった。彼は記者会見で次のようにのべた。

東京都では感染者の累計が1,000人を超えました。足元では5日で2倍になるペースで感染者が増加を続けており、このペースで感染拡大が続けば、2週間後には1万人、1か月後には8万人を超えることとなります

これは反証可能な予測だが、現実の東京の実績はどうだろうか。

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緊急事態宣言で失う命は救う命より多い

緊急事態宣言で命を大事にするのは結構だが、日本のコロナ死者はきのうまでに累計350人。これを増やさないために全国民が経済活動を自粛する意味はあるのだろうか。まず自粛で何人の命が救えるのか考えてみよう。


東洋経済オンライン(折れ線は7日移動平均)

きょう現在のコロナ死亡者は全国で累計376人だが、20日ごろピークアウトしたように見えるので、今がピークとすると合計750人。これは甘すぎるので、緊急事態宣言をやめるとその2倍になると見積もり、1500人が死亡すると考えよう。この場合は「8割削減」で約1000人の命が救われることになる。これは今シーズンの季節性インフルエンザの死者とほぼ同じである。

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緊急事態宣言を解除すれば日本は世界経済をリードできる

西浦博氏の「8割の接触削減で新規感染者を8割減らせる」というモデルは、実数で緊急事態宣言の効果を予測しているので、実証的に検証(反証)可能である。これに実際の新規感染者数(東洋経済オンラインがGitHubで提供しているデータ)を重ねてみよう。


西浦モデル(専門家会議の資料を加工)

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ロックダウンでコロナ感染は止まらない



緊急事態宣言が始まって20日たったが、「8割削減」の劇的な効果はみられない。感染者は宣言の前と同じペースで、ゆるやかに減っている。それに満足できない人は「中途半端な自粛でだらだらやってもだめだ」とか「ロックダウンで一挙にウイルスを根絶すれば元の生活に戻れる」などというが、これは無知である。

ウイルスは害虫のように殺虫剤で「根絶」できるものではない。新型コロナウイルスがゼロになる日は絶対こないと断定してよい。人類が根絶した感染症は、天然痘とポリオぐらいだが、それもウイルスがゼロになったわけではなく、予防接種で集団免疫を維持しているのだ。

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集団免疫論は大量死を許容する理論ではない


こういう議論が(集団免疫論に好意的な人にも)多い。これはスウェーデンと日本の再生産数が同じだという想定にもとづいているが、日本で「4、50万人死亡する」ことはありえない。東京の実効再生産数Rは1.7、全国平均では1を下回っている。全国のRが平均1.2だとすると、集団免疫が成立する人口比Hは

 H=1-1/1.2=0.17

だから、約2140万人が感染すれば集団免疫が成り立つ。致死率を(ヨーロッパ並みに)0.1%とすると、死者は約2万人。SIRモデルで重症化率を1%として計算すると、重症患者数はピーク時で約1万8000人になる。

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日本の重症化率(R=1.2の場合)

これだとICUベッドに収容できる6000人を上回る可能性があるが、いま日本の重症患者は累計263人、死者は317人で、新規重症患者は減っている。これが今から何万人にも増えることは考えられないので、重症化率はこの計算よりはるかに低いものと思われる。

今までの実績でも死亡率はヨーロッパの1/100以下なので、重症化率0.1%、致死率0.01%というのが妥当なところだろう。これだと死者は2000人程度で、インフルエンザとほぼ同じである。

Rが小さくなると感染が収束する期間はながくなる(この計算では約1000日)が、これは問題ではない。医療資源の制約を考えると、ゆるやかに感染が広がることは望ましい。問題は日本の再生産数や重症化率がこんなに低いのはなぜかということだ。

追記:シミュレーションに誤りがあったので、データを修正した。

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「8割教」カルトに乗っ取られた専門家会議


専門家会議は、もはや政府の諮問機関として機能していない。 22日の状況分析・提言には実証的な状況分析はほとんどなく、「8割削減」を繰り返しているだけだ。正式メンバーでもない西浦博氏に乗っ取られ、「8割教」ともいうべきカルト集団になってしまったようだ。報告書はこう書いている。
接触機会の8割削減が達成されている 場合、緊急事態宣言後おおよそ1か月で確定患者データの十分な減少が観察可能となる。 他方、例えば 、65%の接触の削減であると すると 、仮に新規感染者数が減少に転じるとしても、 それが十分に新規感染者数 を減少させるためには更に時間を要する。

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ここでは8割という数字が絶対で、65%ではだめだと強調されている。その根拠は基本再生産数2.5で感染爆発が起こるという西浦モデルだが、彼自身が認めているように2.5という数字には根拠がない。1.7でもよかったのだ。その場合は「41%削減」でいい。

だからこの図の左半分は嘘だが、右半分もあやしい。8割削減で、こんな逆V字型で急に感染の減った国はない。次の図を見てもわかるように、ロックダウン(★)のあとも新規感染者数はほとんど減っていないのだ。

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日本の集計で4月上旬から減り始めたのは緊急事態宣言のおかげではなく、3月下旬にピークアウトした状況が、2週間後に確認して「報告」されただけである。感染者の増加が鈍化してきた東京で、これから感染爆発が起こる兆しはない。

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厚労省は「8割削減」の根拠となったデータを公開せよ

「8割おじさん」西浦博氏のインタビューが文春オンラインに出ているが、問題の基本再生産数については次のように答えている。
私のいまのシミュレーションはR0(1人が平均何人に感染させるかを示す「基本再生産数」)を2.5にしています。これは、感染拡大が爆発的に起こったヨーロッパ、主にドイツが2.5だったので、日本でもそれ相応で流行が拡大すると想定した数字です。

専門家会議が発表した東京都のR0の推定値である1.7でシミュレーションするべきではないかという主張も、正当なことだと思います。しかし、私自身は日本でもR0が1.7から上がっていく可能性は十分にあると考えています。

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「逆石油ショック」は日本のチャンス

20日のニューヨーク原油市場は、国際的な指標WTIの5月物に買い手がつかず、マイナスになった。原油価格がマイナスになったという話を聞いたとき、私は何かの勘違いだと思ったが、次の図のように一時は1バレル当たりマイナス37ドルの値がついた。


WTI先物価格(日本経済新聞)

この短期的な原因は新型コロナによる旅客機などの運休で、石油の需要が急減し、余剰の原油を貯蔵するスペースやタンカーが一杯になったことらしい。マイナスの価格ということは、売り手が金を払うということだ。つまり原油はゴミのように「金を払って引き取ってもらう」商品になったのである。

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新型コロナの致死率は0.005%か

スタンフォード大学のチームが世界で初めて新型コロナの本格的な抗体検査をやった。その プレプリント論文によると、調査はカリフォルニア州サンタクララ郡(シリコンバレー)の3300人を無作為に選んで行われ、そのうち2.49~4.16%(都市ごとに違う)が陽性だったという。

これはサンタクララ郡で確認されている感染者の50~85倍で、ワイドショーでは「85倍も感染している!」と恐怖をあおっているが、これは逆だ。致死率(死者/感染者)の分母が増えるのだから、コロナの致死率は公式集計より大幅に低いというのが、このチームの結論である。

今アメリカではコロナの死者は4.2万人、感染者は79万人だから、次のグラフのように致死率は約5%である。このうち死者は全数検査だが、感染者数は全数検査ではないので、分母の感染者はもっと多く致死率は低い。この論文はサンタクララ郡の致死率を0.12~0.2%と推定している。 これはインフルエンザとほぼ同じだ。

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コロナの感染者数(横軸)と死者数(縦軸)

日本の致死率は死者200人、感染者1万人で約2%だが、これも過大評価だ。日本はまだ抗体検査をしていないので実態がわからないが、もし日本人の3%がコロナに感染しているとすると感染者は380万人いるから、致死率は約0.005%である。これはWHOがパンデミックと認定して空振りになった2009年の新型インフルと同じぐらいだ。

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