大坂なおみ選手を「違法状態」にしないために国籍法改正を



10月16日に22歳になるテニスの大坂なおみ選手が、日本国籍を選択した。彼女は米国籍も持っているので、そっちをどうしたかについては情報がないが、おそらくこのまま保持するのだろう。アメリカは重国籍を認めており、国籍離脱者から(租税逃れ対策として)純資産の20%近い国籍離脱税を取るからだ。

IOCの規定では国籍を変更した選手は3年以上たたないとオリンピックに出場できないので、彼女は今からアメリカ代表になることはできないが、日本代表になるために米国籍を捨てる必要もないので、二重国籍のまま出場できる。

しかし日本国籍を選択して米国籍を抜かないと、法的には違法状態になる。日本の国籍法では重国籍を禁じているからだ。

続きはアゴラで。

まぎらわしい「予報円」はやめよう

台風19号が近づいてきた。こういうとき台風情報でわかりにくいのは、「予報円」と「暴風警戒域」という二つの円が描かれていることだ。



これが気象庁のホームページにある台風の進路予想だ。予報円は台風の中心の位置の誤差だが、これを暴風域と混同する人が多い。こんなまぎらわしい表示をしているのは日本だけだ。たとえばアメリカのNOAAでは、次のように描く。



続きはアゴラで。

憲法はなぜ「捨て身の平和主義」になったのか

9条入門 (「戦後再発見」双書8)
憲法第9条をめぐる果てしない論争の最大の争点は、それが自衛権を放棄しているのかどうかである。その答は常識的に考えると明らかだ。およそ国家がその自然権たる自衛権を放棄することはできないので、日本国憲法も自衛権を放棄しているはずがない。

ところが憲法9条2項は「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と明記している。これは素直に読むと、自衛のための戦力も保持しないと解釈するしかない。これは常軌を逸した規定だが、その原因は1946年2月にマッカーサーの書いたメモ(マッカーサー・ノート)にあった。その第2項目には、こう書かれていた。
国権の発動たる戦争は、廃止する。日本は、紛争解決のための手段としての戦争、さらに自己の安全を保持するための手段としての戦争をも、放棄する。日本はその防衛と保護を、今や世界を動かしつつある崇高な理想に委ねる。日本が陸海空軍を持つ権能は、将来も与えられることはなく、交戦権が日本軍に与えられることもない。
憲法草案を起草したケーディスは、これを非現実的と考えて「自己の安全を保持するための手段」という部分を削除しが、吉田首相は第9条は「自衛戦争も放棄したものだ」と答弁した。この捨て身の平和主義が今に至る混乱の原因だが、それは単なる理想主義ではなく、マッカーサーの大統領選挙キャンペーンの一環だった、というのが本書の仮説である。

続きは10月14日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。

差別を食い物にする「えせ同和」を恐れるな

ようやくマスコミが同和問題に言及した。毎日新聞の10月7日付の「風知草」というコラムで、こう書いている。

(森山栄治)元助役は、助役に昇任する前、町職員に採用された69年から72年まで、部落解放同盟高浜支部の書記長だった(高浜町同和教育25周年記念誌)。前掲ルポによれば、この人物が、当時の解放同盟の差別糾弾闘争を主導し、その威勢をもって町政を支配した。

続きはアゴラで。

「家」という超血縁集団

世襲の日本史: 「階級社会」はいかに生まれたか (NHK出版新書)
現代の常識では、世襲は悪で、実力主義が善である。リーダーが世襲で決まるのは前近代的な血縁集団で、実力で決まるのが近代的な機能集団だといわれているが、現実にはその優劣はそれほど自明ではない。安倍首相もトヨタ自動車の豊田章男社長も世襲である。二代目が劣っているなら、とっくの昔に選挙や市場で淘汰されたはずだが、そうなっていない。

東アジアの中で、日本は世襲がもっとも長く続いた国である。中国では10世紀ごろから、科挙によって実力主義の官僚制ができたが、それは日本には輸入されなかった。その最大の原因は、同じ時期に日本社会で発達した「家」の原理と相容れなかったからだ、と著者は考える。

古代社会は小さな親族集団の連合体を天皇家を中心とする「氏」としてまとめるしくみだったが、中世以降の「家」は武士を中心とする超血縁的な機能集団だった。 そのリーダーは長男が世襲することになっていたが、男が生まれなければ他の家から養子をとることは珍しくなかった。問題はDNAの連続性ではなく、家の連続性だったのだ。

続きは10月7日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。

明治日本の奇妙な植民地主義

アジアを救った近代日本史講義 (PHP新書)
1910年の日韓併合は、国際法的には合法だが、実質的には植民地主義といわれてもしょうがない。当時の日本と朝鮮は軍事力にも経済力にも大きな差があり、その力の優位を背景に日本が朝鮮半島を領有する条約を結んだからである。だがそれは奇妙な植民地主義だった。

日本が朝鮮半島に進出しようとした最初のきっかけは征韓論だが、これはヨーロッパの植民地主義とは違う発想だった。明治政府が新政府の樹立にあたって、1870年に李氏朝鮮との修好を求める国書を朝鮮に届けようとしたところ、朝鮮はその受け取りを拒否した。

その理由は、国書に皇上という文字があったことだ。「皇」は中華王朝の皇帝だから、日本の支配者は皇ではなく、朝鮮はその臣下ではないので、国書を受け取ることはできない、というのが朝鮮の主張だった。これに対して明治政府では、西郷隆盛が訪朝して説得すると言い出し、それに大久保利通などの主流派が反対し、これが西郷の下野するきっかけになった。

これは些細な外交文書の字句の問題のようだが、当時の東アジアの秩序のあり方をめぐる論争だった。朝鮮は李朝の伝統だった華夷秩序の概念にもとづいて朝鮮は清の臣下だと考え、日本は秩序の外にある「夷狄」だと考えていた。それに対して華夷秩序の外側にいた日本は、朝鮮のような事大主義の影響を受けていなかったので、ヨーロッパ的な国際法にもとづいて朝鮮と条約を結ぼうとしたのだ。
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差別発言を糾弾する人々が差別を再生産する



関西電力の事件の本質は同和問題である。これは1970年代にはリアルな問題だったが、今は部落解放同盟の組織力も衰え、糾弾闘争もなくなった。電力会社やマスコミのような古い産業がその幻影に怯えているだけで、こんな問題は時間が解決する――と思っていたが、最近のネット上の言論を見ていると必ずしもそうはいえないようだ。

続きはアゴラで。

沖縄はなぜ韓国に似ているのか

世界のなかの日清韓関係史-交隣と属国、自主と独立 (講談社選書メチエ)
沖縄の辺野古基地をめぐる果てしないゴタゴタは、韓国に似ている。法的には無意味な住民投票で国の決定をくつがえし、法を遡及しようとする沖縄県民の行動は、日韓請求権協定を無視して「徴用工」問題を蒸し返す韓国人の発想と同じだ。それはなぜだろうか。

これは無意味な問いのようだが、朝鮮と琉球の歴史には共通点がある。形式的には清の属国でありながら、実質的には日本に支配されたという点だ。朝鮮の場合には、それは清の冊封国だが属国自主とされていた。これは西洋のような植民地支配とは違い、清に朝貢して服従を誓うかぎり外交的な独立を認めるものだった。

琉球も清に朝貢する冊封国だったが、1609年に薩摩藩の島津家広が琉球に出兵し、首里城を占領して服属させた。琉球王国は島津氏の監督のもとに、将軍の代替わりごとに慶賀使を江戸に送る一方、清には毎年進貢船を派遣し、代わりに清の冊封使が来航した。こうして琉球王国は、日本に服属する一方、清国を宗主国とする両属の国となった。

この微妙なバランスを変えたのが、1879年の琉球処分だった。明治政府は琉球王国を解体し、沖縄県として主権国家の一部に組み込み、清との宗属関係を断ち切った。これは清にとっては琉球という属国の喪失だった。続きを読む

関西電力をたたいても同和問題は解決しない

関西電力をめぐる事件の最大の謎は、問題の森山栄治元助役に関電の経営陣が頭が上がらなかったのはなぜかということだ。彼が高浜町役場を定年退職したのは1987年。それから30年たっても、金品を拒否できないというのは異常である。

今までの報道では、関電の工事を受注する吉田開発から森山が3億円を受け取り、それを関電に渡したということになっている。それなら森山は受注業者の代理人だが、受注側があれほど大きな態度を取り、関電がそれに従ったのは不可解だ。

この事件について最初に同和問題との関係を報じたのは、示現舎というネットメディアだった。これは以前から取材していたらしく、森山が部落解放同盟のメンバーだったと推定している。

続きはアゴラで。

消費税を10%で凍結すると何が起こるか

きょうから消費税が10%に上がった。軽減税率やらポイント還元やらで、コンビニのレジは大混乱になるかと思ったら意外とそうでもない。POSシステムの対応はもう終わっているので、淡々と精算するだけだ。

安倍首相は「今後10年は消費税を上げる必要がない」と明言しているが、今後増える社会保障の財源はどうするのだろうか。その方法としては、次の5つが考えられる。
  1. 法人税の増税
  2. 所得税の累進性強化
  3. 社会保険料の増税
  4. 相続税の増税
  5. 国債の増発
続きはアゴラで。






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