若者はなぜ自民党を支持するのか

今回の総選挙の世論調査で、若者の自民党支持率が高い。たとえば毎日新聞の世論調査では、20代以下の自民党支持率が4割弱で、30代以上は2割台だ。それを「保守化」という人がいるが、逆である。彼らは新聞を読まないので、「反安倍」の刷り込みを受けていないだけだ。

今の国際情勢で「安保反対」を唱える野党を支持する理由は見当たらないし、若者にとって重要な雇用も改善している。自民党はこれを「アベノミクスで雇用が改善した」とアピールしている。確かに完全失業率は3%を下回って「完全雇用」といっていい水準だが、その原因は何だろうか。

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ロシア革命は「社会主義」だったのか

世界戦争から革命へ (ロシア革命とソ連の世紀 第1巻)
今月はロシア革命(10月革命)から100年。いろいろな本が出ているが、その多くは本書のいう「ボリシェヴィキの語り」を脱していない。1917年のロシアで起こった出来事のピークが10月革命であり、それは(よくも悪くも)ロシアの伝統とは断絶した政治体制だったという見方は今なお根強い。

だが本書のような最近の研究が明らかにするのは、10月革命がマルクスやエンゲルスの考えた社会主義(共産主義)とはほとんど関係なく、ロシア人が人民専制と呼んだものだったということだ。それはツァーリをボリシェヴィキに置き換えたクーデタで、革命と呼べるかどうかも疑問だが、専制国家の伝統になじんだロシア人には受け入れやすかった。

レーニンはそれを「歴史の法則」という言葉で語った。ロシア革命は資本主義から社会主義への移行という普遍的な法則の証明であり、市場経済は計画経済に置き換えられ、国家は死滅して国際的な労働者のコミューンが生まれる――そういう語りは今も一部の人に空想的平和主義として残っている。

社会主義のイメージは否定的にも受け継がれているが、ロシアや中国の悲劇の原因は社会主義だったのか。資本主義のもとでは、戦争や虐殺は起こらないのか。1989年から崩壊したのが社会主義ではなく専制国家だったとすれば、それは資本主義がすぐれているという証明にはならないのではないか。

続きは10月16日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。

リチャード・セイラー『実践行動経済学』

実践 行動経済学
2017年のスウェーデン銀行賞は、本書の共著者、リチャード・セイラーが受賞した。彼は行動経済学の開拓者で、この本はそれを応用した「リバタリアン・パターナリズム」を提唱している。これは冗談で、まじめにいうと「これまで非現実的な『合理的経済人』を想定して行なわれてきた制度設計を現実的な人間の行動にもとづいて考え直す」ということだ。

新古典派経済学では、人々はすべての問題について効用最大化の選択を行なうことになっている。しかし、たとえばあなたが職場に行くとき、何時に起きて朝食で何を食べ、どんな服を着て何時に家を出るか・・・など多くの問題があり、それぞれについて多くの選択岐があるので、すべての選択肢について効用最大化の計算をしていると、組み合わせの爆発が起きて、会社に遅刻してしまう。続きを読む

小池百合子氏の好きな「見えない税」の盲点

今回の総選挙は、争点があるようでない。憲法・国防については自民・希望が同じ方向で、それに反対する「立憲主義」勢力はマイナーだ。経済政策も消費税の増税を掲げているのは自民党だけで、他の党はすべて増税には反対である。

増税の好きな人はいないので、それは政治的には合理的だ。この点でわかりやすいのは、希望の党である。小池百合子氏のあげている「三本柱」のうち、「消費税の増税凍結」と「原発ゼロ」は、見える税を減らして見えない税を増やすというポピュリズムで一貫している。

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災害が日本社会のモラルをつくった

江戸の災害史 - 徳川日本の経験に学ぶ (中公新書)
近代ヨーロッパの社会をつくった大きな原因が戦争だということは、社会科学の共通理解になりつつある。日本は16世紀までヨーロッパとあまり変わらない「封建社会」だったが、江戸時代に長い平和が続き、それとはまったく違う社会になったといわれている。

しかし本書も問いかけるように「江戸時代は本当に平和だったのだろうか。一体平和とは何だろうか。たしかに戦争はなかったが、じつは江戸時代は、わたしたちが想像する以上に生き延びるのに苦労の多い時代であった」。19世紀末の平均寿命は43歳ぐらいと推定され、生まれた子供の半分は5歳までに死亡した。17世紀に日本の人口は2倍以上になったが、18世紀以降はほとんど増えなくなった。

その大きな原因は災害だった。特に18世紀後半から、地震や火災や飢饉などが多発した。それは自然災害が増えたのではなく、人口が増えて都市に集中したため、被害が増えたのだ。特に1780年ごろの天明の大飢饉は、社会を大きく変えるインパクトがあった。そのころから戦争で戦うのではなく、災害で助け合うことが日本社会のモラルになったと思われる。

続きは10月9日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。

「内部留保」をなくすシンプルな税制改革

希望の党の「内部留保課税」は、今どき法人税を実質的に1.5倍に増税しようという失笑ものの提案だ。消費税の増税を凍結する財源として「300兆円の内部留保に2%課税する」という答を用意したのだろう。消費税をいやがる情報弱者に配慮して「もうかっている大企業から取る」というわけだ。

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「ベーシックインカム」で年金を廃止する希望の党

希望の党の公約の「ユリノミクス」と称する経済政策の目玉は、消費税の増税分5兆円を凍結して「内部留保」に課税することだが、実はもっと大きな公約がある。ひっそり「ベーシックインカム導入により低所得層の可処分所得を増やす」と書かれているが、これは国政政党としてBIに言及した初めてのケースだ。

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立憲主義は単に「憲法に従う」ことではない

立憲民主党が結成されて、また「立憲主義」についての議論が盛んになっている。私にからんでくるツイートをみると、かつての民主主義に代わって立憲主義が、左翼のスローガンになっているようだ。この立憲民主党の御用達マンガが一番わかりやすい。

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ここでは立憲主義とは単に「憲法に従う」という意味だということになっている。だから「戦力を保持しない」という憲法に従わない安倍内閣は「非立憲」らしい。ここでは立憲主義は一方的に国家権力を拘束するものだから、朝日新聞も「首相が改憲を訴えるのは立憲主義を傷つける」というのだが、ではその憲法を制定するのは誰だろうか?

続きは10月9日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。

民主党政権の罪は永久に消えない


立憲民主党のツイッターが人気で、フォロワーがもう11万を超えたという。「反自民」が明確だから、政権に対するスタンスのはっきりしない希望の党より現状に不満な人々の支持を集めやすいのだろう。その政策のトップは、あいかわらず「原発ゼロ」である。

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蓄電池に「ムーアの法則」はない



先週の「言論アリーナ」は、竹内純子さんにエネルギー産業の長期ビジョンの話をうかがった。電力会社は原発再稼動など目の前の問題で精一杯だが、2050年に電力産業がどうなっているかという「長期均衡」から逆算すると、別のストーリーがみえてくる。

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