なぜリフレは失敗したのに「アベノミクス」は成功したのか

今週は夏休みだが、アゴラの久保田さんの記事が気になったので、ひとことコメント。「アベノミクスの4年半を振り返ると、景気回復と脱デフレという面では相当の成果を上げた」という「大機小機」の評価が正しいかどうかは「アベノミクス」の定義による。それをリフレ(人為的インフレ)政策と定義すると、リフレが失敗したことは明白だ

続きを読む

電気自動車は「エコ」か「エコノミー」か

テスラが新車を発表し、電気自動車(EV)が関心を集めている。フランスのマクロン大統領は「2040年までにガソリン・ディーゼル車の販売を停止する」という目標を発表した。つまり自動車はEVとハイブリッド車に限るということだが、それは可能だろうか。そして「エコ」なのだろうか?

続きはアゴラで。

ベーシックインカムは「ただでお金をもらえる」制度ではない



最近ちょっと話題になっているNHKのベーシックインカム特集は、根本的に間違っている。ベーシックインカム(BI)は「国民全員がただでお金をもらえる」制度ではない。フィンランドの実験は「世界初」ではなく、そもそも「ただでお金をもらえる」という言葉が矛盾している。

続きはアゴラで。

大学無償化より「インセンティブ奨学金」を

安倍新内閣の目玉は「人づくり革命」という珍妙なネーミングの政策だ。茂木経済再生担当相は5つのテーマを発表したが、ポイントは教育無償化につきる。これは安倍首相の憲法改正案にも盛り込まれて大きな関心を呼んでいるが、政府が税金をばらまいても「人づくり」にはならない。文科省の政策は大学院重点化や法科大学院など、失敗の連続だ。

続きはアゴラで。

戦略としての対米従属

アゴラの合宿は盛り上がり、やばい話も出たが、オフレコなので一般論で感想をメモ。安倍首相が秋の国会に憲法改正案を出すことを断念して憲法論議は振り出しに戻ったが、これは国防のあり方を根本から考え直すチャンスともいえる。

憲法改正を党是とする自民党の結成以来、改正案を出した総裁は、実は安倍氏が初めてである。自民党ハト派はもちろん、中曽根総裁も小泉総裁も出さなかった。その理由は複雑だが、単純化すると対米従属が快適だったからだろう。これは高坂正堯のいう「軽武装」だが、単なる経済主義ではない。

1951年にアメリカの求める再軍備を拒否した吉田茂には、それなりの計算があった。朝鮮戦争の起こっている東アジアで、貧弱な戦力で日本を守ることは不可能だった。米軍基地を日本に引き留めるには、日本があえて丸腰で「属国」になることが一つの戦略だった。このために彼がアメリカに提供したのが、日米行政協定(今の地位協定)という不平等条約だった。

続きは8月7日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。

江戸時代の「長い平和」を守った組織暴力

江戸の平和力―戦争をしなかった江戸の250年 (日本歴史 私の最新講義)
『失敗の法則』の仮説は、日本人に根強い部分最適化の歴史的な原因は江戸時代に続いた(世界史に類をみない)長い平和にあるということだが、この平和はどうやって維持されたのだろうか。徳川家が全国を小さな藩に分割して内戦を防いだことはよく知られているが、各藩の中はどうしたのだろうか。

普通は豊臣秀吉の「刀狩り」で兵農分離が行われたと説明されるが、これは疑問である。武士は城下町に集まって住んだので、農民は生活を守るために武装せざるをえず、農村には多くの刀や槍が残っていた。そういう農村や宿場町の治安維持の役割を果たしたのが「侠客」だった。国定忠治や清水次郎長が今もさまざまな物語になって親しまれるのは、そういう「私的な警察」の役割を果たしていたからだろう。

彼らの収入源は賭博などの非合法な手段であり、暴力を独占しようとする武士には弾圧されたが、元をたどれば、武士も戦国時代に成り上がった組織暴力にすぎない。これは武士という大きな組織暴力と侠客という小さな組織暴力の戦いで、今でいう警察と暴力団のようなものだった。

続きは8月7日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。

河野外相で日米原子力協定は変わるか

今度の改造で最大のサプライズは河野太郎外相だろう。世の中では「河野談話」が騒がれているが、あれは外交的には終わった話。きのうの記者会見では、河野氏は「日韓合意に尽きる」と明言している。それより問題は、日米原子力協定だ。彼はこう答えている。
原子力協定につきましては,来年の7月16日に30年の期間が終了するわけでございますが,これはそのまま失効するわけではなく,日米どちらかが終了を通告しないかぎりは続くわけでございます。原子力協定が今の我が国の原子力利用の一つの基盤であることを考えますと,政府内,あるいは日米の緊密な連携をしながら協定のあり方を含め考えていかなければならないと思っております。

続きはアゴラで。

「人づくり」の中心は学校ではなく私塾である

子ども格差の経済学
改造内閣では「人づくり革命」という意味不明の言葉が出てきたが、要するに「教育無償化」と称して地方に公共事業をばらまこうということだろう。本書は日本の教育に特有の「塾」を調べたものだが、「学校の予算を増やせ」という結論になっている。これは逆である。教育は学校と同義ではない。慶應義塾のような私塾こそ、非効率的な教育を改革する理念なのだ。

日本の公的教育支出のGDP比は、OECD諸国で最低である。この数字はよく教育無償化の根拠として出てくるが、これも逆だ。日本の私的教育支出のGDP比は、大国の中ではアメリカに次いで高い。親が教育の私的利益率が高いことを認識しているから、税金を使わなくても自発的に塾に行かせ、受験勉強をするのだ。

日本と同じような傾向が、韓国にもみられる。それはどちらも大学受験のスクリーニングがきびしく、受験戦争で人生が決まってしまう儒教圏の伝統があるからだ。これに対して大学のスクリーニングの信頼性が低い英米には塾はない。受験勉強しても、金とコネがないといい大学には入れないからだ。

続きは8月7日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。

北朝鮮のミサイルは迎撃で防げるのか



28日に日本近海に落とされた北朝鮮のミサイルは、潮匡人さんによるとICBMと断定してよい。弾道ミサイルはこれが最初ではないが、大気圏に突入して海に落ちるまでの映像がNHKの複数のカメラに収められている。

3500kmの上空から海面までほぼ原型をとどめて落ちてきたのは「大気圏に再突入する際の高熱に耐える素材の開発か輸入に成功した」と推定できるそうだ。光っているのは摩擦熱で、熱に耐えない素材だとバラバラになって飛散するが、この映像では一つの閃光のまま海面に突入している。

続きはアゴラで。

朝日新聞はなぜ「反安倍」に舵を切ったのか

マスコミ業界の人と最近よく話題になるのは、ここ数年、朝日新聞が急に左傾化したのはなぜかという謎だ。これは拙著『失敗の法則』の第5法則「企業戦略は出世競争で決まる」でくわしく書いたが、簡単にいうと一つの原因は、2014年8月に朝日が特集した慰安婦問題の検証記事だと思われる。

朝日の木村伊量社長(政治部出身)は、2012年に自民党総裁になった安倍晋三氏が12月に首相になる直前に彼と会談し、慰安婦問題に決着をつけると約束した。これを受けて社内でも秘密の「検証チーム」が発足し、1年半かけて特集記事を書いたが、肝心の1面の記事で「慰安婦問題の本質は女性の人権だ」と開き直って謝罪もしない中途半端な内容になったため、かえって右派の攻撃を受け、退陣せざるをえなくなった。

このころは有力なOBにも、左派路線を反省する人が多かったが、2015年の国会では「安保法制反対」で民主党と共闘する路線に舵を切った。2014年の閣議決定のときはそれほどはっきりしなかった朝日の「反安倍」の姿勢が翌年から急に鮮明になり、「一強」とかパノプティコンなど荒唐無稽なキャンペーンが始まったのはなぜだろうか?

続きは8月7日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。






title




連絡先(取材・講演など)

記事検索
月別アーカイブ
QRコード
QRコード
Creative Commons