格差に「一般法則」はない

ピケティについて同じ話を何回もしているうちにわかってきたが、ほとんどのジャーナリスト(つまり平均的ビジネスマン)はあの本の内容を理解していない。経済学者は「理論的根拠がない」と批判しているが、ジャーナリストの関心は不平等という結果と累進課税の提案だけなので、話題がそこに集中する。これはピケティの議論が混乱していることにも原因があるが、何度も同じことをいうのは飽きたので、少なくとも次の3点を理解してほしい。続きを読む

ピケティとイスラム国の共通点



きのうのBSスカパー「ニュースザップ」では、モーリー・ロバートソンと一緒にピケティの話をしたが、これはいま話題のイスラム国と関係がある。JBpressにも書いたように、イスラム国が示したのは、主権国家という制度が中東で無力化した事実だ。もともと国家が有効だったのは暴力を独占できたためだが、その前提が崩れ始めている。イスラム国はミサイルやヘリコプターまでもち、情報発信能力も高い。
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イスラムは寛容になれるのか

今回のイスラム国の事件をみていて、Economistの記事を思い出した。筆者はパリの事件にコメントしているのだが、論点は今回の事件と同じく、イスラムが寛容を知らないという問題である。

普通は「改革者」だと思われているルターは、この点ではカトリック教会より強硬に神の意志を絶対化し、彼を批判する者を迫害した。これに対して、かつてルターとともにカトリック教会と闘ったエラスムスは、彼の不寛容を批判し、『自由意志論』を書いた。ホイジンガは、その主張をこう紹介している:続きを読む

カルトを合理的に理解する

キリスト教とローマ帝国
イスラーム国のような狂気のカルトを合理的に理解することは常識的には不可能だが、まったくナンセンスな組織があれだけの規模になるはずがない。そこには彼らなりの合理性があるはずだ(この合理性は「論理的に一貫している」という意味で、望ましいという意味はない)。

本書は、ローマ帝国に弾圧されたカルトだったキリスト教が、逆に国教になるまでに成長した原因を、合理的に理解しようと試みる。もちろん史料が限られているので、多くは推測の域を出ないが、マクニールも指摘しているのは、疫病の影響である。彼はこの時期に人口の1/4から1/3が疫病で死んだと推定している。
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黒田総裁の知らないインフレ目標

ニューズウィークのおまけ。黒田総裁は実質的に2%のインフレ目標を撤回したが、こんなことは最初からわかっていた。学問的には通説を確認しただけだが、それをおさらいしておこう。
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問題は「2人の生命か2億ドルか」ではない

「イスラーム国」の人質事件では、身代金の要求に対して「テロリストに屈服するな」という意見が圧倒的だが、これはそれほど自明の問題ではない(ややテクニカル)。
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「イスラーム国」が聖戦をグローバル化する

イスラーム国の衝撃 (文春新書 1013)
普段は献本をいただいたからといって書評することはないのだが、本書がオフィスに届いた日に人質事件のニュースが出たので読んでみた。

「イスラーム国」は国と名乗っているが、実態はアル=カーイダの新バージョンである。宗教的にはスンナ派で、指導者バグダーディはイスラームの最高指導者「カリフ」を名乗るが、別に世界のイスラム教徒がカリフと認めたわけではない。政治的には従来のテロリストと変わらないが、イラクとシリアの一部を領域支配して注目された。
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反原発フリーライダーを駆除する方法

西日本新聞によると、九州電力川内原発(鹿児島県)の再稼働の差し止めを求めた仮処分申請で、申立人23人のうち10人程度が申請を取り下げたという。
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自己武装権としての人権


先日のVlogでも話したことだが、ピケティのいうegaliteは、朝日新聞的な結果の平等ではない。そういう心情倫理の見本である竹信三恵子元編集委員が『ピケティ入門』なる本を書いているのは、悪い冗談というしかない。
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コモディタイズした兵器で戦争が民営化される

きのうの記事におもしろいコメントがあった。
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