池田信夫 blog



『「空気」の構造』で日本の「失敗組織」の典型としてあげたのは、日本軍である。権限と責任の一致しない「まつりごと」構造の危険性が、ここには典型的に出ている。その特徴は最高司令官には実質的な権限がなく、その下の参謀が作戦を決める組織だ。参謀はアドバイザーだから責任はないが、彼が情報を把握して意思決定を行なう。さらに参謀本部の決定は各方面軍に丸投げされる・・・という入れ子構造になっていた。

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「空気」の構造: 日本人はなぜ決められないのかここ1年、アゴラ読書塾などで考えてきた「日本人とは何か」というテーマについて、私なりの考えをまとめてみた。

いま日本の政治や経済の直面している混迷は、日銀がお金を配れば解決するような簡単なものではなく、もしかすると数百年に及ぶ歴史の中で形成されてきた日本人の伝統的な意思決定や行動様式に原因があるのではないか、というのが本書のテーマである。かといって「美しい日本」の伝統に帰ればいいというわけでもない。答はまだ私にもわからないが、問題は明確にできたと思う。

5月下旬発売だが、アマゾンでは予約受付中である。同時にアゴラブックスとKindleで電子版も出る。序論の一部と目次を紹介しておこう。序論は、版元のウェブサイトでも立ち読みできる。続きを読む


朝日新聞の原真人氏が、けさのコラムで「アベノミクスの本質は、人々をその気にさせようという心理学だ」と書いているので、ここ一両日の出来事を心理学的に考察してみよう。

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2013年05月23日 15:13
経済

安倍バブルの崩壊?

けさの国債市場は、いきなり1%台をつけて始まった。これは1年1ヶ月ぶりで、絶対的水準としてはそれほどではないが、その値動きは「暴落」といっていい。普通の人には直観的にわかりにくいと思うので、国債先物のチャートで示そう。

 Bond(15分)20130523142254

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きのうの日銀総裁会見で、黒田総裁は「長期金利を抑え込む」ことを繰り返し強調したそうだ。しかしその手段はといえば「国債買い入れによるリスクプレミアムの圧縮効果は今後は累積していくので、今後はさらに強く出ていく」というだけで、ろくな説明もなかったようだ(テクニカル)。

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ここ数日の慰安婦をめぐる橋下徹氏の話は、論点がずれてきたように思われる。大阪市議会では「慰安婦の利用が全く許されるものではないという前提で、日本だけでなく、第2次大戦当時は世界各国も戦場の性の問題として、女性を利用していたではないかという話だ」と答弁した。そして昨夜のぶら下がりでは、次のように言っている。続きを読む


朝鮮人強制連行 (岩波新書)慰安婦について「強制連行」という言葉を使うのは、誤解のもとだ。強制連行という言葉は、朴慶植『朝鮮人強制連行の記録』(1965)で初めて使われた造語で、公式の用語ではない。戦時に政府が労働者を動員する方法は募集徴用であり、後者は拒否すると罰則があったので、これを強制連行と呼んだものと思われるが、これは朝鮮人に限った話ではない。

戦時中は、国家総動員法にもとづいて国民徴用令が出され、616万人が軍需工場などに徴用されたが、厚生省によれば、そのうち朝鮮人はわずか245人(すべて男性)だった。これは戦時労務動員計画で「半島人の徴用は避けること」という方針が出され、官斡旋による募集という形式がとられたことによる。これは朝鮮人ブローカーが募集して国内の炭鉱などに連れて行くのだが、その募集や輸送は政府が管理していた。

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2013年05月20日 10:15
経済

フリードマンの敗北と勝利

今週のメルマガにも書いたことだが、リフレ派にはいまだに19世紀的な貨幣数量説を信奉している人が多いが、その意味を理解していないようだ。そこでマネタリズムの古典とされるフリードマンの論文、"The Role of Monetary Policy"を紹介しておこう(テクニカル)。

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橋下発言で慰安婦問題がまたこじれて、私のところにも週刊誌の取材が来るが、お断り。基本的な事実関係は「NYタイムズのための『慰安婦問題』入門」にかなりくわしくまとめたので、それを参照していただきたいが、今回の騒ぎについてはちょっとボタンの掛け違えがあると思う。

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「油断」への警鐘昨夜のアゴラチャンネルは、前IEA(国際エネルギー機関)事務局長の田中伸男氏にシェール革命について聞いた。番組の最後のアンケートで76.9%が「とてもよかった」と答える最高記録だった。内容もシェール革命だけではなく、世界のエネルギー情勢を俯瞰して日本の戦略を語ったものだ(アーカイブで見られる)。

中でも切迫した問題は、本書も指摘するように中東の「油断」のリスクが高まっていることだ。イランは着実に核開発を進めており、イスラエルはそれが完成する前に爆撃する方針だ。ネタニエフ首相は「2013年の春から夏がイランの核開発を止められるレッドライン(限界)だ」と昨年の国連総会でのべており、夏までにイランの核施設への爆撃が行なわれるリスクが高まってきた。

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