電力危機の中で、原子力規制委員会が特重(特定重大事故等対処施設)の審査で原発の運転を止めていることに対する批判が高まっている。細野豪志氏のいうように「特重のバックフィット適用を延期すべきだ」という意見が妥当なところだが、実は法的には5年の期限が来ても委員会には止める権限がない。
アゴラでも書いたように、原子炉等規制法で規制基準を適用するのは「原子炉施設の起動前」であり、「起動後」は運転しながら審査するのが原則である。今でも毎年4回の保安検査は運転しながら行われ、倉庫の建設などの審査で運転を止めることもない。「新規制基準に違反するから止める」という規定はないのだ。
これは電力会社側もわかっているが、今の運用は菅直人首相が「お願い」で止め、田中前委員長が「定期検査に入ったら新規制基準を即時適用する」と非公式に決めたまま、動かせないで今に至っている。
この運用がおかしいことはエネ庁も知っているが、規制委員会は三条委員会(国家行政組織法第3条に定める各省と同格の委員会)なので手が出せない。これを私は8年前に民主党が政権に残した「バカの壁」と書いたが、なぜこんな壁ができたのか。
続きはアゴラサロンでどうぞ(初月無料)
アゴラでも書いたように、原子炉等規制法で規制基準を適用するのは「原子炉施設の起動前」であり、「起動後」は運転しながら審査するのが原則である。今でも毎年4回の保安検査は運転しながら行われ、倉庫の建設などの審査で運転を止めることもない。「新規制基準に違反するから止める」という規定はないのだ。
これは電力会社側もわかっているが、今の運用は菅直人首相が「お願い」で止め、田中前委員長が「定期検査に入ったら新規制基準を即時適用する」と非公式に決めたまま、動かせないで今に至っている。
この運用がおかしいことはエネ庁も知っているが、規制委員会は三条委員会(国家行政組織法第3条に定める各省と同格の委員会)なので手が出せない。これを私は8年前に民主党が政権に残した「バカの壁」と書いたが、なぜこんな壁ができたのか。
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