韓国人はなぜ約束を守れないのか

「統一朝鮮」は日本の災難
日本人が韓国人を理解するのはむずかしいが、中国を介して考えると少しは理解できるかもしれない。その歴史を通じて朝鮮半島は中国の属国であり、その文化は中国の亜流だからである。その共通点は、親族を超える中間集団のない古代的な社会が最近まで続いたことだ。李氏朝鮮は、日本でいえば平安時代が19世紀まで続いたようなものだ、と著者はいう。

日本の中世以降は、財産にからむ問題を地域の中間集団(家)で分権的に解決するしくみができたので、市場経済が発展した。中国では国家が財産権を守らなかったので、宗族という外婚制の親族集団で財産を守った。これは地域を越える数万人の集団で、財産をめぐる紛争を解決する司法機能もあった。

しかし朝鮮にはそういう中間集団がまったくなかったので、約束を守るメカニズムが育たず、市場経済ができなかった。李朝末期には人口のほぼ半分が両班(公務員)になり、経済力は極端に衰えた。それが北朝鮮では今も続いているが、韓国も本質的には変わらない。日韓基本条約や請求権協定をくつがえす決定を韓国大法院が下すのも、こういう約束を守らない伝統の中では驚くべきことではない。

続きは8月26日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。

中国という多民族国家

世界史とつなげて学ぶ 中国全史
香港の問題は混迷を深めているが、これは他人事ではない。中国のGDPは2030年代にアメリカを抜いて世界最大になると予想され、今後は中国との関係が日本の最大の問題になるが、これはアメリカよりはるかに厄介な隣人である。

それが古代から統一された専制国家だったと考えるのは錯覚で、古代国家は城壁で囲まれた都市だった。王朝はローマ帝国のような都市国家連合で、人口のごくわずかしか支配できない「超小さな政府」だった。財産権を守る法律もなかったので、人々は親族集団(宗族)で自分の財産を守った。

「中国」という概念は20世紀にできたもので、それが「漢民族」の国だというのも神話である。古代から中国は、農耕民と遊牧民の戦う多民族国家だった。文明をつくったのは農耕民だが、遊牧民は戦争に強かったので、歴代の王朝には「征服王朝」が多く、農耕民の国家は宋と明ぐらいだった。

日本人にとってヨーロッパがわかりやすいのは、どちらも広い意味の封建社会(中間集団の強い分権的な社会)を通過したからだが、これは世界史の中では例外である。中国では中間集団が宗族しかなく、清代まで古代社会が続いたともいえる。そこにいたのは皇帝と官僚からなるごく少数の「士」と圧倒的多数の「庶」だった。

続きは8月26日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。

日本はなぜ慰安婦問題で韓国に敗北したのか

ヤフー個人の「日韓関係の悪化は長期的には日本の敗北で終わる」という記事が炎上している。筆者はアメリカの大学院生、内容はステレオタイプの「歴史修正主義」批判で論評に値しないが、問題はこういう議論が世界の常識になってしまったことだ。

たとえばNYタイムズは、日本と韓国の対立について長文の解説記事を載せているが、強制労働(forced labor)を性奴隷(sexual slavery)と同列に論じ、性奴隷は説明なしに使われている。徴用工問題は日本の植民地支配から発生したが、安倍首相がその責任を否定してナショナリズムをあおっているという論調だ。

続きはアゴラで。

日韓の対立をあおったのは誰か

吉見義明氏が毎日新聞のインタビューで、慰安婦問題について語っている。この記事は見出しで「『従軍慰安婦はデマ』というデマ」と書き、本文では「慰安婦問題はデマ」と書くなど混乱している。この問題を風化させないためにも、話を整理しておこう。

続きはアゴラで。

国際法を超える文在寅大統領の「義兵思想」

韓国が日本に対する輸出優遇措置の解除を発表し、日韓の対立はますます悪化してきたが、両国政府の問題設定が違うので議論が空回りしている。 この問題は三つのレベルを区別する必要がある。
  1. 貿易管理:日本が半導体材料の一部の韓国に対する輸出優遇措置を解除し、韓国もそれに対して同じ措置で報復した。
  2. 国際法:2018年の韓国大法院判決で戦時中に日本で働いた労働者の慰謝料請求が認められ、韓国内の日本企業の資産が差し押さえられた。
  3. 歴史問題:大法院判決は、日韓併合は日本の「不法な侵略」であり、その支配下における労働はすべて「強制動員」だと主張している。
続きはアゴラで。

貨幣はなぜ存在するのか

21世紀の貨幣論
お金はなぜ存在するのか。そんなこと当たり前じゃないか、と思う人が多いだろう。お金がなかったら、ものが買えない。物々交換でいちいち売り手が買い手をさがしていたら、市場経済は成り立たないので、買い手と売り手の「欲望の二重の一致」を実現する交換媒体としてお金が生まれたのだ――これが経済学の普通の説明だ。

だとすると未開社会では物々交換が見つかってもいいはずだが、グレーバーの実証研究では、物々交換で成り立つ社会は世界中どこにもない。本書の紹介する太平洋のヤップ島の経済は非常に単純だが、大きな石でできた通貨をもっている。しかもその一部は海に沈んで、誰も見たことがない。これは明らかに交換媒体にはなりえない。

貨幣は物々交換から生まれたのではなく、逆に貨幣があって初めて取引が始まったのだ。貨幣は交換媒体ではなく、売り手と買い手が取引を決済するための契約書なので、具体的な商品である必要はない。本質的なのは契約が本当に実行されるのかという信用だから、そういう信用のある国家が通貨を発行する。

ところが貨幣価値が安定すると、貨幣は必要なくなる。すべての商品の価格がわかっているなら、それをいちいち貨幣に交換しなくても、価格は「実質ベース」で考え、貨幣はすべての商品の価格を合成したニューメレール(基準財)でよい――それがワルラスの一般均衡理論だった。それ以来、現代のDSGEに至るまで、新古典派経済学には貨幣が存在しない。

続きは8月12日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。

原子力規制委員会は大幅な増員が必要だ

原発のテロ対策などを定める特重(特定重大事故等対処施設)をめぐる混乱が続いている。九州電力の川内原発1号機は、今のままでは2020年3月17日に運転停止となる見通しだ。

原子力規制委員会の更田委員長は「特重の完成が期限内に間に合わない場合、期限の翌日から運転停止を命じる」というが、原子炉等規制法では規制委員会が「停止命令」を出すことができるのは重大な違法行為があった場合に限られる。いま適法に運転している原発が、来年3月18日から急に違法になるわけではない。

続きはアゴラで。

植民地支配を永久に許さない儒教のエートス

韓国を蝕む儒教の怨念: 反日は永久に終わらない (小学館新書)
徴用工問題は、慰安婦問題より根が深い。韓国大法院は日韓請求権協定を踏み超え、日本の植民地支配が不法行為だったという根拠で日本企業の民事責任を認めたからだ。この論理に従うと、植民地ではすべての労働は奴隷のような強制労働だから、慰安婦も出稼ぎ労働者も、すべて日本に対する請求権をもつ。

これは本書も指摘するように、昔から韓国政府の方針である。1910年の日韓併合は日帝の侵略であり、それ以来ずっと韓国人は「抗日戦争」を戦い、1945年に勝利して独立を勝ち取ったというのが韓国の公式史観である。むしろ日韓基本条約はその国是に反する妥協であり、大法院判決は建国の理念に戻ったのだ。

国際法で「侵略」という概念ができたのは1928年の不戦条約だから、それを遡及適用して1910年の日韓併合を侵略と呼ぶことはできないが、儒教圏ではそうではない。国際法や条約より上位に儒教的な「天」があり、ここでは社会秩序は自然秩序と同じく絶対的なので、事実と価値の区別がない。法は人為的な制度だという考え方がないのだ。

続きは8月12日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。

慰安婦問題は偶然から生まれた

毎年この季節になると慰安婦問題が出てくるが、今では誤解している人も多いので、リアルタイムの経験を記録しておくのも私の世代の責任だろう。私が偶然この問題が発生する現場に立ち会うことになったのは、NHK大阪放送局に勤務していた1991年夏のことだった。 毎年8月になると終戦記念番組をやることになっていたが、私は運悪くその担当に当たった。

そのころまで戦争の番組といえば、戦争がいかに悲惨かを当事者に証言させるものだったが、そういうネタは尽きたので、海外取材で目先を変えようということになった。そこで出てきたのが強制連行だった。これは朴慶植という朝鮮大学校の教師の造語で、彼の『朝鮮人朝鮮連行の記録』によると、100万人以上の朝鮮人が官憲に連行されて日本で強制労働させられたという。これはどうみても誇張された数字だが、朝鮮人が徴用されたことは事実なので、その実態を韓国で調べてみようということになった。

このとき偶然、NHKに「慰安婦」を売り込んで来たのが福島瑞穂弁護士だった。これは戦時中に軍の慰安所で働いた娼婦の未払い賃金の問題で、韓国で高木健一氏などの弁護士がそれを請求する訴訟の原告を募集し、そのうち金学順という慰安婦が初めて実名で名乗り出たのだ。その訴訟の広報担当が福島氏で、同時に朝日新聞などにも売り込んだ。これを同僚が取材して、私の取材した強制連行と2日シリーズでNC9の企画ニュースにした。

920111だからもともと男の強制連行と慰安婦は別の話で、別々の担当者が取材していた。それを朝日が混同して、植村隆記者が慰安婦が軍に連行されたかのような記事を書いたが、当時は他社も似たようなものだった。戦争中の古い話で、強制かどうかなんて大した問題ではなかったのだ。それを結びつけて日韓の外交問題に昇格させたのが、1992年1月の朝日の記事「慰安所 軍関与示す資料」だった。

続きは8月12日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。

徴用工って何?

あいちトリエンナーレに慰安婦像が出品されて問題になりましたが、この像は2011年にソウルの日本大使館の前に設置され、その撤去をめぐって8年越しでもめてきたものです。2015年の「慰安婦合意」で撤去が決まりましたが、韓国はその約束を守らず、要求をエスカレートさせています。

韓国の大法院(最高裁判所)は2018年に元「徴用工」の請求を認め、韓国内にある新日鉄住金の資産を差し押さえました。これに対して日本政府は半導体材料の輸出について韓国の優遇措置をやめ、日本と韓国の関係は国交正常化以来最悪ともいわれる状況になっています。これはなぜでしょうか?

続きはアゴラで。






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