約束を破る韓国と約束を守りすぎる日本

河野太郎外相は19日午前、南官杓駐日韓国大使を外務省に呼び出し、朝鮮人労働者の訴訟について、日韓請求権協定にもとづく協議に韓国が応じないことに抗議した。これに対する南大使の「日本側に韓国側の構想をお伝えしてきており…」という通訳の言葉を、河野外相がさえぎって声を荒げた(動画の8:00以降)。



ちょっと待ってください。韓国側の提案はまったく受け入れられるものではない、国際法違反の状況を是正するものではないということは、以前に韓国側にお伝えしております。それを知らないふりをして改めて提案するのは極めて無礼でございます

続きはアゴラで。

解決策を提示せず国民の反日感情に火をつける韓国大統領府

韓国大統領府が朝鮮日報と中央日報の記事に「韓国の国内世論を日本に誤って伝えている」と批判し、両紙はその記事を電子版から削除した。政府が新聞の社説を公式に批判するのは先進国では考えられないが、事実誤認があるわけではない。

他の媒体に転載された記事も削除されたが、今の段階でネット上に残っている朝鮮日報の社説「解決策を提示せず国民の反日感情に火をつける韓国大統領府」の日本語版(元記事は削除)の一部を紹介する(強調は引用者)。
米国に韓日間の仲裁を要請した韓国大統領府の金鉉宗国家安保室第2次長は帰国の際「1910年の国債補償運動、そして1997年のアジア通貨危機で金を集める運動を行った時のように、今こそ一つとなって(日本の報復という)危機を共に克服しなければならない」と述べた。当初期待されていた米国による仲裁について確かな回答を得ることができなかったため、「国債補償運動」という110年前の運動を持ち出しはじめたのだ。

続きはアゴラで。

SMAPという「芸能バブル」の崩壊

公正取引委員会がジャニーズ事務所に、元SMAPのメンバーのうち事務所から独立した3人(稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾)の出演について民放に圧力をかけたとして「注意」した。これは行政処分ではないが、公取委が芸能界にこういう注意をするのは初めてだ。


AbemaTV公式サイトより

続きはアゴラで。

資本主義と闘った男

資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界
本書は宇沢弘文の伝記だが、戦後日本の経済学の歴史にもなっている。彼は1950年代にアメリカに渡り、数学的な論文で世界の経済学界のスターになったが、40歳で日本に帰ってきた後の業績には見るべきものがない。この落差の原因は何だったのだろうか。

彼は資本主義と闘ったわけではなく、新古典派経済学と闘ったが、その闘いに敗れた。「新古典派は非現実的だ」とか「人間不在だ」という話は誰でもできる。経済学者の仕事はその理論を変えることだが、彼はその闘いに挫折して環境問題の活動家になった。コメの輸入自由化に反対し、晩年にはTPP反対の先頭に立って支離滅裂な話をするようになった。

本書で宇沢の仮想敵になっているのは、ミルトン・フリードマンである。彼の人格は高潔ではなかったかもしれないが、学問的に勝利したのはフリードマンだった。彼の自然失業率理論はルーカスの「合理的期待」を生み、それは数学的にエレガントだという理由でマクロ経済学の主流になった。宇沢は「合理的期待は水際で止める」と宣言し、複雑怪奇な不均衡理論をつくったが、使い物にならなかった。

宇沢が「市場原理主義」と呼んで闘ったのは、経済学そのものだった。それを否定することは経済学者の自己否定であり、彼のように学界で地位を確立した学者以外にはできない。彼の提唱した「社会的共通資本」の概念は曖昧で、学問的には何も生み出さなかったが、21世紀の資本主義で価値を生み出すのが市場化できない「無形資産」だとすれば、彼の闘いは無駄ではなかったかもしれない。

続きは7月22日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。

「素朴ケインズ主義」に転向するアベノミクス

アベノミクスの指導者である浜田宏一氏が、MMTを意外に高く評価している。MMTは彼が1970年代に教えていた(私も学生として聞いた)素朴ケインズ主義である。おもしろいのは、彼がリフレ派を卒業したと明言していることだ。
金融緩和の効果がいろんな意味で薄れてきているのは事実です。デフレ脱却では、金融政策だけでなく財政政策も両方が必要なことは、私も「シムズ理論」にふれるまでは、十分、理解していたわけではありませんでした。
そして「私も国際的なマネタリズムという視点でみてきたわけですが、なかなか貨幣の需給だけでは説明が十分でないところが出てきています」という。「国際的なマネタリズム」という言葉は初めて聞いたが、たぶんかつて彼が力説していたマンデル=フレミング理論のことだろう。

これは「変動相場制では財政政策はきかないが金融政策はきく」という理論だが、実際に起こったのはその逆だった。その原因は単純である。金利がゼロに張りついた状況では、利下げで円安にもインフレにもできないからだ。彼もようやくそれを認めたわけだが、こうして誠実に間違いを認める人は少ない。

リフレ派は今、MMTを否定する分派と転向する分派で大混乱だ。財政政策の効果を認めない原理主義的リフレ派は旗色が悪く、間違いを認めないで「本当のMMTはリフレ派と同じだ」と称して転ぶ上念某のような手合いが多い。今後アベノミクスも「第2の矢」の財政政策に重心を移すだろう。

続きは7月22日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。

どうやって「減らない年金」にするの?

参議院選挙で年金問題がよく話題になりますが、肝心の年金制度をどう改革するのかという政策がはっきりしません。ただ一つ「年金を減らさない」と明確に公約に掲げているのが共産党です。どうやって減らない年金にするんでしょうか?

それは簡単です。年金を減らすマクロ経済スライドという制度を廃止するのです。これによって「年金が7兆円減るのを防げる」と共産党は主張しています。マクロ経済スライドという言葉は何のことやらわからないと思いますが、日本年金機構の説明によると次のような制度です。
賃金や物価による改定率から、現役の被保険者の減少と平均余命の伸びに応じて算出した「スライド調整率」を差し引くことによって、年金の給付水準を調整します。
これでもよくわかりませんね。簡単にいうと、これは共産党のいうように年金を減らし続けるしくみです。図1のように、本来は上がるはずの年金支給額(実質)を減らすのがマクロ経済スライドですが、役所が「減らす」という言葉を使わないのでややこしいのです。

図1

続きはアゴラで。

誰も負担しない「見えない賃金税」

今度の参議院選挙の最大の争点は年金問題だが、公約で「マクロ経済スライド廃止」という方針を明確に打ち出している共産党以外は、どう改革するのか(あるいはしないのか)わからない。自民党に至っては、金融審議会の「年金が2000万円足りない」という報告書の受け取りを拒否して、事実も認めない。

その一つの原因は、今の公的年金の負担感が少ないためだろう。国民年金は税で補填されるので年金保険料より給付のほうが多いが、厚生年金にはトリックがある。その保険料は2017年に18.3%で打ち止めになったが、サラリーマンの源泉徴収票に出てくる数字はその半分、つまり9.15%である。

ところがサラリーマンの実際の負担はそれより大きい。次の図は鈴木亘氏の試算だが、ざっくり言って今の50歳以下は年金の払い損になる。これは保険料というより賃金税と考えたほうがいいが、その負担感は実際より小さい。

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このトリックのタネは単純だ。社会保険料の半分を事業主負担としてサラリーマンを雇う会社が負担しているからである。しかし会社からみると事業主負担も人件費なので、そのほとんどは労働者に転嫁される。つまり社会保険料の分だけ手取り賃金が下がるのだが、その負担の半分は見えない。

続きは7月15日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。

日本には「よいバブル」が必要だ

バブルは事前にわからないといわれるが、そんなことはない。1980年代後半の地価は収益還元価格(理論地価)の数倍になっていた。不動産業者も賃料で回収できないことはわかっていたが、高値で転売できればいいと割り切っていた。バブルは自己実現的な均衡であり、それが実体経済と一致する必要はないのだ。

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バブル期の地価(日本不動産研究所の推定)

1990年代末のITバブルでも、ドットコム企業の株価が将来の収益で正当化できない水準に上がり、そのほとんどは消滅した。しかしアマゾンもヤフーもグーグルも、ITバブルがなかったら生まれなかった。日本の楽天もソフトバンクも、ITバブルで成長した企業である。アップルもマイクロソフトも、1970年代のPCバブルで生まれた。

アゴラにも書いたようにバブルは悪ではない。借金ができるのは「貸したカネが金利をつけて返ってくる」とみんなが信じるバブルのおかげで、誰もそう信じないと企業は現金だけで経営しなければならない。企業が萎縮して銀行は国債を買う悪いバブルが、この20年の日本経済である。

どんなバブルでもいいわけではない。PCバブルやITバブルで生き残った(ごく少数の)新企業は、急成長してグローバル企業になったが、日本の不動産バブルは銀行の不良債権を残しただけだった。今の国債バブルも、非効率な社会保障や公共投資を残すだけに終わるおそれが強い。

続きは7月15日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。

アメリカ資本主義の黄金時代は終わった

大分断:格差と停滞を生んだ「現状満足階級」の実像
労働者が転職しなくなり、起業が減り、大企業のシェアが増えて経済に活気がなくなっている――これは日本のことではない。アメリカの現状である。州を超えた移住は50年前の半分になり、起業率も40%減り、生産性上昇率は1%を下回った。

その原因はアメリカ資本主義の成長期が終わって成熟段階に入り、「現状に満足する階級」が増えてきたからだ(原題は"The Complacent Class")。起業や新規参入が減る一方で企業の集中が進み、4割の業界で上位4社のシェアが半分を超えるようになった。

つまり日本で起こっている長期停滞は、世界的な現象なのだ。今週のVOXにも、次の図のようなデータが紹介されている。企業の新規参入は、1980年代の14%から2010年には9%に減った。大企業の利潤率は上がっているが企業間の格差が拡大し、労働者の格差も拡大している。労働者の所得の中央値は、1969年より低い。

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続きは7月15日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。

史上最大の「国債バブル」をゆるやかに崩壊させる方法

バブル崩壊は10年ごとにやってくるというが、今のところ2008年のリーマンのような大型のバブル崩壊(金融危機)の兆候はない。日本国債のマイナス金利は20世紀の常識で考えるとバブルだが、それが崩壊する兆候もみえない。それどころか、国債を長期保有している邦銀は大もうけしたはずだ。


10年物国債先物の価格(右軸)JPX調べ

これは10年物国債先物の価格だが、1990年に87.08円だった価格が2015年には148.68円。バブル崩壊直後から70%ぐらい値上がりした。日本国債は世界史上最大のバブルといわれる所以である。

続きはアゴラで。






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