海外メディアはなぜ日本人を差別するのか


ワシントンポストの東京支局長が「持ち込み禁止」のポスターを「汚い韓国ビールを持ち込むな」と訳してツイートし、Togetterなどで話題になっている。

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「古層」というソーシャル・キャピタル

大阪都構想をめぐる論争で特徴的なのは、かつての保守・革新という対立が逆転し、もっとも保守的なのが共産党と労働組合で、それを応援する映画監督やテレビタレントが橋下市長を「ハシズム」と批判し、徹底的な現状維持を主張したことだ。

このように伝統を守り、「なりゆき」にまかせてゆるやかに変化してゆくのが日本人の歴史意識だ、と丸山眞男は考えた。表層の文化や政治はいろいろ変わるが、こうした「古層」は古事記の時代から変わらない――という論文「歴史意識の『古層』」が1972年に発表されたときは、(私を含めて)多くの人が丸山が保守化したのかと驚いた。

しかし彼の死後に出版された講義録を読むと、「原型」という言葉が1959年から出ており、それが60年代に「古層」と言い換えられ、のちに「執拗低音」と呼ぶようになったが、意味は同じだ。日本人の意識には、歴史の終末に向かって直線的に進む西洋的な時間はなく、伝統を守って「なりゆき」に従う集団的無意識のようなものがある。

これは一種のソーシャル・キャピタルとして日本の近代化を円滑に進めた原因だが、それが余りにも濃密に共有されていると集団の中の淘汰圧が高くなり、異分子を排除することで集団が滅びてしまう。

続きは今夜23時に配信する「池田信夫ブログマガジン」でどうぞ。

一九四六年憲法――その拘束

一九四六年憲法 その拘束 (文春学藝ライブラリー)
林房雄の『大東亜戦争肯定論』は右派の「東京裁判史観」批判のネタ元だが、本書は改憲派の「押しつけ憲法」論のネタ元である。ここに書かれている通り、GHQが憲法を「押しつけた」ことは経緯としては明らかだが、問題はそれが国民の意に反したものだったのかということだ。

当時、憲法第9条に反対したのは共産党だけで、国会のみならず昭和天皇から石原莞爾まで、国民がこぞって「軍隊はもういらない」とこれに賛成した。その後アメリカは間違いに気づき、1951年にダレス国務長官が吉田首相と会談して憲法改正を要請したが、吉田が拒否したため、「保安隊」を創設することで妥協し、講和条約が結ばれた。つまり独立に際して第9条を改正しなかったのは、吉田茂の判断なのだ。

ところが本書はこの吉田・ダレス会談にふれないで、アメリカが今でも日本の主権を侵害していると主張する。その根拠は「密教」と称する江藤淳の憶測だが、あいにく憲法は第1条で「主権の存する日本国民」と明記している。本書の解説を書いている白井聡も、この基本的な歴史を知らないで「日本はアメリカにいじめられてきた」という陰謀史観を語る。

続きは5月24日(日)に配信する「池田信夫ブログマガジン」でどうぞ。

世代別選挙区のすすめ



大阪都構想の住民投票は、税金を払う世代と使う世代の対立を鮮明に示した。Vlogでも紹介したように、大阪市の有権者のメディアンは55歳ぐらいだが、それ以上の世代の投票率が高いため、中位投票者(median voter)が60歳を超えたと思われる。この原因は、負担が重くなる若い世代の投票率が低く、20歳未満には選挙権がないからだ(18歳に引き下げる程度では大差ない)。続きを読む

「シルバーデモクラシー」という言葉はやめよう

大阪都構想をめぐる議論が続いているが、「シルバーデモクラシー」という言葉が混乱の原因になっている。これは正式の定義があるわけではないが、普通は「老人が多数派になり、投票率が高く、農村部の定数が多いために過剰代表される」という意味に使われる。

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大東亜戦争肯定論

大東亜戦争肯定論 (中公文庫)
ポツダム宣言をめぐる国会論戦で驚いたのは、安倍首相がその得意分野であるはずのポツダム宣言について「つまびらかに承知していない」と答えたことだ。これは政治的に答えにくいということかもしれないが、本当に知らないと困るので、本書を読んで勉強してほしい。

初版は1964年で、タイトルだけ見るとトンデモ本のようだが、内容の水準は高い。解説で保阪正康氏もいうように「肯定論」として本書を抜くものはいまだにない。日米開戦は「ルーズベルトの罠」だったとか、パル判事の日本無罪論とか、おなじみの話が多いが、これは本書がオリジナルで、『正論』や『WiLL』に毎月出てくる話はほとんどここに書かれている。

それより重要なのは、本書が一貫して東亜百年戦争という観点から、グローバル資本主義の中で1850年以降の日本近代史を整理していることだ。これは19世紀以降の帝国主義戦争の中で最後に残された日本が自衛するためには軍備増強が必要だったというスケールの大きな歴史観だ。結果的にそれが失敗だったことも認めているが、戦争は「勝てば官軍」。正義の戦争などというものはないという。

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「池田信夫ブログマガジン」がKindleでも発売開始

池田信夫ブログマガジン5月17日号
私のブログマガジンがアマゾンアカシックライブラリ-からも発売されました。これから毎週、更新します。

目次
  • EPUBリーダーは何がいいか   
  • 武士としての福沢諭吉   
  • 格差を縮小した国家社会主義   
  • 主権国家というフィクションの終わり   
  • 丸山眞男(2) 日本の軍国主義は「ファシズム」だったのか   
  • 下川文子さんの料理レポート   
  • 私の音楽ライブラリー:Quadron "Avalan che"
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「脱成長」をめざさなくてもマイナス成長になる

見田宗介氏が、朝日新聞のインタビューで「成長をやめれば幸福な社会になる」と語っている。彼のような「脱成長」派が知らないのは、日本は何もしなくてもマイナス成長になるという事実だ。たとえば経団連の21世紀政策研究所のシミュレーションでは、次のようにベストシナリオでも2030年代にはマイナス成長になり、現役世代の可処分所得は激減する。



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世界の学界も「性奴隷」を否定した

世界の歴史学者の「日本の歴史家を支持する声明」という安倍首相に対する公開書簡への賛同者が457人に増えた、と各メディアが報じているが、これは朝日新聞の誤報から始まった「性奴隷」説を否定するものだ。全文(日本語版)を引用しておこう。

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団塊の世代が仕組んだ大阪市の「計画倒産」

廃藩置県近代国家誕生の舞台裏 (角川ソフィア文庫)
JBpressにも書いたが、大阪都構想はよくも悪くもそれほどの大改革ではない。市の財政が悪化しているのに24区のままではもたないから、5区に整理しようというだけのことだ。この程度の改革を拒否していると、財政赤字が拡大して都市が倒産する。

しかし当分は今までの資産を食いつぶせるので、団塊の世代が死ぬまでは何とかなるかもしれない。その後に残った借金は将来世代が負う。この意味で今回の住民投票は、大阪市の「計画倒産」である。

これは明治維新と似ている。廃藩置県のような大改革が驚くほどスムーズにできたのは、すでに各藩の財政が破綻していたからだ。1700年ごろから年貢は増えず、下級武士の所得は水呑百姓とほとんど変わらない状況になっていたが、幕藩体制を廃止するまでに170年もかかった。いわば2世紀かけてフランス革命をやったようなものだ。

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